広義積分はちゃんと計算しよう
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- Опубліковано 19 вер 2024
- こんにちは!マルチーズ先生です。広義積分で、ちゃんと極限をとらなくてはいけない例です。
【マルチーズ先生のやさしい東大数学】
高校レベルから大学レベルまでの、面白そうな数学の問題を、週3回、火曜・金曜・土曜の19時配信予定。
数学パズル講師 マルチーズ先生
地元の県立高校を卒業後、東京大学理科いぬ類に入学。犬として初めて、東京大学大学院工学系研究科を卒業。現在は、大学入試問題過去問、積分問題、図形問題その他について、高校レベルから大学レベルまで幅広く扱い、youtubeで動画配信中。趣味は散歩とフリスビードッグ。
普通に、t=tan((x+π/2)/2) と置換して、被積分関数を部分分数に展開すれば、広義積分は出てこないのでは?。
はい、その通りです。タイトルは言い過ぎですかね。
6:00と9:40からそれぞれI₁=∞,I₂=-∞となることが分かりますが,これは
0:56の最後で I=∞-∞(不定形)※¹のような変形をしていることを意味します
ので,IをI₁とI₂の和で表さない方がよいかと.
※¹ この右辺のI₁+I₂に対し「発散する」と書かれているものが見られますが,
正しくは上記の通り「不定形」です.
(他の方の指摘の通り,例えばt=tan(x/2)とおけば広義積分は回避できますが)
動画の議論のような置換方法で被積分関数の不定積分を求めると(以下,
-π/6≦x≦0とし,任意定数は省略します)I₁では
-(√3/8)log{(1-√3tanx)/(1+√3tanx)}+x/4 (=F₁(x)),
I₂では-(√3/8)log{(2cosx-√3)/(2cosx+√3)}-cosx/2 (=F₂(x))
のようになります.これによりIではF₁(x)+F₂(x)が不定積分となることが
分かるので,Iに対し(0:46のように表され方から下端の-π/6で広義積分
となることに注意して)
I= ∫ [-π/6≦x≦0]{F₁'(x)dx+F₂'(x)}dx
=lim[z→-π/6+0] ∫ [z≦x≦0]{F₁'(x)dx+F₂'(x)}dx
=lim[z→-π/6+0][F₁(x)+F₂(x)_[z,0]
=lim[z→-π/6+0][F₁(0)+F₂(0)-{F₁(z)+F₂(z)}]
=π/24-(2-√3)/4+(√3/8)lim[z→-π/6+0]log{(2cosx-√3)/(1+√3tanx)}
が得られます.これは動画の10:06の「I₁+I₂=」以下と同じ関係です.
なお,広義積分に対する「教訓」としては他に有名なものとして
∫ [-1≦x≦1](1/x²)dx(≠[-1/x]_[-1,1]=-2)や ∫ [-∞≦x≦∞]{x/(1+x²)}dx(≠0)
などがありますね!
とてもためになるご指摘有難うございます!
t=tan(x/2) '(こういう置き換え方の名称がついてたと思うが忘れた)と置換する。
tan(π/12)=2-√3=a とおく。すると、
∫_{x=-π/6→x=0} cos^2 x / (1-2 sin x) dx = ∫_{t=-a→t=0} 2(1-t^2)^2 / ((1-4t+t^2)(1+t^2)^2) dt
部分分数分解を行えば、
2(1-t^2)^2 / ((1-4t+t^2)(1+t^2)^2) = 3/2 1/(t^2-4t+1) + 1/2 1/(1+t^2) + 2 t/(1+t^2)^2
それぞれの項の積分を順に I_1, I_2, I_3 とする。
I_3 は置換積分などを用いれば簡単に
∫_{t=-a→t=0} 2 t/(1+t^2)^2 dt = [-1/(1+t^2)]_{t=-a→t=0} = -a^2/(1+a^2) = -(2-√3)/4
I_2 はよくあるやつで、
∫_{t=-a→t=0} 1/2 1/(1+t^2) dt = [1/2 arctan t]_{t=-a→t=0} = π/24
I_1はさらに部分分数分解を行うことで
∫_{t=-a→t=0} 3/2 1/(1-4t+t^2) dt = [√3/4 ln |(t-2-√3)/(t-2+√3)| ]_{t=-a→t=0} = √3/4 ln((2+√3)/2)
あとはこの3つを合わせればよい。
ワイエルシュトラス置換ですね。丁寧なご説明有難うございます。
10:08 I_1とI_2はそれぞれ発散しているので和をとってもこうはならないですね
−limA+limB=lim(B−A)
これが使えるのは、limA, limBがそれぞれ収束するときだけだった気がします。
その発散している部分はI1とI2に分ける時に発生しているものなので元の式は別に発散しているわけではない。
つまりまずは元の式を分かりやすくI1とI2に分けて、I1とI2にそれぞれ発散する部分A1、A2を見つけて、もう一度元の式を(I1-A1)、(I2-A2)、(A1+A2)という発散しない3つのパートに分けるのが正しい手順なんだけど、解説はその部分を省略しているだけで間違っているわけではない。
指摘する部分間違えましたね、そもそも 0:56 が間違いです。I_1とI_2のふたつに分ける前は収束しますが、分けたらそれぞれが発散するので収束しません。
えぇ、、