<わたし>はどこにあるのか|書評  脳と自由意志#11

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  • Опубліковано 18 вер 2024
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    ※書籍
    〈わたし〉はどこにあるのか――ガザニガ脳科学講義 amzn.to/34nFlxJ
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    / tetsugaku_ch
    動画の書き起こし版です。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    『<わたし>はどこにあるのか』では、
    私たちが【わたし】と感じている【意識】について
    神経科学の観点から解明を試みています。
    詳細は過去の動画で解説しましたので結論だけ示すと、
    脳はそれぞれの部位がそれぞれの処理を並列的に行う装置で
    人間の行動は脳の働きによって制御されている。
    司令塔のいない脳の働きを後付けで解釈しストーリーに仕立てるのが
    左脳にあるインタープリター・モジュールで
    その解釈の感覚が【意識】ではないか?
    著者のマイケル・ガザニガ教授はそのように主張します。
    そう仮定すると、人間は脳という物理装置の所作によって
    自動で動く人形とも捉えられてしまい、
    そこに【自由意志】が介在する隙間が見つからなくなります。
    となると、古くから盛んに議論されてきた【決定論】的な結論が導き出されることとなります。
    しかし、ガザニガ教授は【自由意志】に対して、少し違った見方をします。
    そもそもニュートン力学をはじめとした科学の世界では、
    因果関係をすべて網羅することで、この世のすべてを記述する。
    という試みに対しては一定の限界が見え始めています。
    それは三体問題然り、不確定性原理然り・・・
    また、原子などのミクロの世界を記述する量子力学と
    一般的な物理運動を記述するニュートン力学には
    あきらかな結びつきがあるのにも関わらず、
    両者を統一する理論は未だに見つかっていません。
    床を転がるボールをニュートン力学で説明はできても
    そのボールの構造を量子力学で説明できても
    その両者の関係性は未だに【謎】なのです。
    両者を結びつける一つのとっかかりとして
    イリヤ・プリゴジンの提唱した【創発】という概念が挙げられます。
    創発はトップダウンともボトムアップともいえない因果を超えた関係を
    結びつける一つの画期的な概念です。
    我々の世界はエントロピー増大の法則に則って、
    徐々に秩序から無秩序に突き進んでいます。
    その先に待つのは宇宙の熱的死です。
    しかし、その営みの中で無秩序は秩序を作り出します。
    時間的流れとともに自発的に秩序を作り上げる構造を【散逸構造】と呼び
    広義には我々人間も散逸構造の一つと考えられます。
    脳の処理をミクロの世界と捉え、
    そこから発現する行動や、浮かび上がる意識をマクロと捉えると
    両者の関係も、創発によって支えられていることがわかります。
    つまり、我々の【意識】や【行動】は非常に創発的なものであり
    決定論的に記述できる類いのものではないといえるのです。
    これらのことから著者のガザニガ教授は、
    自由意志がない可能性に対してポジティブな疑問を投げかけます。
    仮にこれまで論じられてきたような自由意志がなかったとしても
    それはネガティブな要素となり得るのか?
    今ここにいる自分を考えたときに、自由意志のあるなしは
    本当に問題になり得るのか?
    実はこのシリーズでは本書の後半部分の肝である
    『自由意志と社会性』については触れておりません。
    シリーズを通してもし興味を持ってくださったら
    ぜひ一度本書を読んでいただきたいと感じます。
    哲学はもともと科学を含んだ学問でした。
    古代ギリシアの哲学者たちが軒並み科学者だったことからも
    それがわかると思います。
    しかし近代以降、科学は哲学から分離し
    独自の進化をたどっていくことになります。
    それから数百年。
    科学は一定の限界が見えるところまで発展しました。
    言い換えると、一周して形而上学的な領域が現れることとなったのです。
    カントが主張した物自体と我々の認識のその境界。
    ウィトゲンシュタインが主張した語り得ぬもののその手前。
    そういう意味で、哲学と科学の距離が急接近しているのが
    昨今の学問の特徴ではないかと感じます。
    とはいえ、哲学も科学も難しい!
    本書はそんな哲学と科学に対する知識欲を両方とも満たしてくれるような存在です。
    そして、科学的見地を前提に再度哲学に触れると
    驚くほど様々な思想に対する視野が広がることが実感できると思います。
    例えば、ショーペンハウアーはカントでいうところの【物自体】を【意志】としました。
    これを創発の概念に当てはめて考えると、それが正しいかは置いておいて
    おもしろい解釈ができることがわかります。
    この世界の営みを支える根源的なものを【意志】と仮定すると
    エントロピー増大の法則(死)にあらがうように秩序を作り上げる様は
    まさに生への意志としか見えないですし、
    その秩序の一つである我々人間が意志の表出した姿である。
    という彼の主張も違った角度から理解できるのではないでしょうか?
    大分話がそれました。
    【脳と自由意志】シリーズを通して、
    哲学だけでなく、科学にもご興味を持っていただけたら最高だなと感じます。
    一ヶ月超。
    お付き合いいただきありがとうございました。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    #脳と自由意志
    #わたしはどこにあるのか

КОМЕНТАРІ • 43

  • @user-uq9um5on4m
    @user-uq9um5on4m 3 роки тому +8

    新しい概念を包むさらなる概念にも外側がある。これは広がり続ける宇宙にも外側があることに通じ、誰もがたった1光年先すら凡そたどり着けないことを知っている。けれども一歩でも前に進まずにはいられない。

  • @プリムちゃん
    @プリムちゃん 3 роки тому +3

    最近ここ気に入ってます
    話短くようやくしてくれるし
    声も聞きやすい
    夜寝るときにみるのが楽しみです♪

  • @ri_1067
    @ri_1067 3 роки тому +3

    このシリーズめちゃくちゃ面白かったです!
    ショーペンハウアーのその解釈もまた興味深いですね。

  • @FAhdjdidjd
    @FAhdjdidjd 3 роки тому +1

    非常に興味深い話でした。ありがとうございます。

  • @TK-bq9xk
    @TK-bq9xk 3 роки тому +2

    すごく興味深いシリーズでした。本も読んでみます。本当にありがとう。

  • @鈴江宣子
    @鈴江宣子 3 роки тому +4

    「意志」「創発」とは、とても興味深い言葉です。💮📝創発は、目指していなくてもあちらから現れるように思っています。

  • @ヌフヌフ-b4c
    @ヌフヌフ-b4c 3 роки тому +1

    お疲れ様でした!個人的に関心の高いテーマで面白かったです。本も読んでみようと思います!

  • @chidai8881
    @chidai8881 2 роки тому

    めちゃくちゃ面白いですね。ありがとうございます。

  • @maydance515
    @maydance515 Рік тому +1

    ありがとうございます!

  • @leonardobooks
    @leonardobooks 10 місяців тому

    ありがとうございます。

  • @takuyaugajin3777
    @takuyaugajin3777 3 роки тому

    素晴らしいまとめでした

  • @user-or3wr1dp6j
    @user-or3wr1dp6j 3 місяці тому +1

    マイクロ波の脳への作用は知られていますが、自由意志とこの作用について関心があります。つまり、マイクロ波以外に脳に与える何らかの存在があるとしたら、例えば重力波は他の次元からヒトの意思に影響を与えることができることになるのかも知れません。リサ・ランドールは重力波は次元を越えて伝わる唯一のものだと書いています。妄想は楽しい。

  • @central9823
    @central9823 3 роки тому +2

    私の好きな複雑系や散逸構造の話をしていただいて嬉しかったです。
    せっかくなので、ベルタランフィの『一般システム理論』、ダグラス・ホフスタッターの『ゲーデル・エッシャー・バッハ』、マトゥラーナとバレーラのオートポイエーシスの概念や、それに影響を受けたニクラス・ルーマンの社会システム論理、あとベイトソンの『精神の生態学』なども取り上げていただければ嬉しいです!(注文が多いですが笑)

  • @nbtnbt5492
    @nbtnbt5492 3 роки тому +1

    とても興味深いお話ありがとうございました!ガザニガさん、私も読んでみようと思います!

  • @chibiron11
    @chibiron11 3 роки тому +1

    シリーズ拝見しました、「私はどこにあるのか」も読んでおります。素晴らしいですねえ、私にとっても最も興味のある意識、自己、自由、心の問題を幅広くわかりやすくまとめてあるサイトはなかなかないのでは、自分の考えの復習や見直しの際また見せて頂くつもりです。
    それにしても我々は何者なのかや、世界の真の姿についての最新の知見は驚くべきものですね、内容に全く同意しています、
    ヒトは散逸構造上の産物で創発特性こそ世界の有様の肝、偶然と因果の差は階層の違いに過ぎないのでしょう。
    一点自由意志について、自動反応に対するいわゆる拒否権のような機構があり、これこそ自由意志ではとも言われています、それについてのご意見もまとめて頂けたら嬉しいです。では

  • @空蝉-i4q
    @空蝉-i4q 3 роки тому +4

    物理系と情報系を結ぶものとしてエントロピー概念があるかと思います。 
    情報系にもおそらくエントロピー増大則があって情報は果てし無く増大し複雑化し発散していくものと思います。
    その中で人間の脳の制約の中で自己の情報空間をどう組織化するかが問われるような気がします。
    社会からの画一的決定論的押しつけを排除し、社会との間にどうやって適正な関係を築けるかが問題では。

    • @哲学チャンネル
      @哲学チャンネル  3 роки тому +1

      まさにその辺りの議論が本書の後半で(少し消化不良ながらも)なされています。
      もしお時間があればぜひ本書をお読みください!

  • @ikenoyakazuhiro7660
    @ikenoyakazuhiro7660 5 місяців тому +1

    人とは意識そのものです。意識の完全な消滅は死を意味します。意識の要素は人称と自己の概念ですが、他の動物にはこの概念が希薄なので、人の意識とは決定的に異なります。太古の時代、人は虚弱な生体なので集団で生きることが必要でしたが、協力して食を得て、飢餓になれば食を奪い合う過酷な生態なので、動物脳を超えた知能の発達が不可欠でした。本能むき出しでは制裁を受け消滅してしまうので、新能力は軋轢を調整する機能が必須の要素です。脳は古い脳の周囲に新機能を追加して進化したので意識は大脳皮質にあります。意識の働きは自身の行動を見守り必要と見れば変更したり停止することです。意識は情報の相関から発生するので善悪観念を含みますから、利己的な本能と対立することがあります。つまり意識には自由意志が存在します。
    次に意識を説明します。酔いつぶれて公園で目が覚めた時、周囲の景色を見て、喧噪を聞いて、いったいこれは何なんだと思うことがあります。オレはコンパで飲みすぎたんだと、我に返る、この瞬間、意識が起動したことになります。バラバラな周囲の情報が自分の情報として紐づけられ、一気に有機的な連携を持ちます。情報の相関から意識が発生することの意味です。赤ちゃんは生まれたときにはさまざまな感覚を受け入れるだけですが、母親とのやりとりが繰り返されるうちに、満足を与えてくれる母の存在と、満足を受ける自分の存在があることが分かるようになります。母と自分の人称の概念と自己の存在認識が生まれると、最初の意識となります。意識は以後、終生、自動的に発生を繰り返します。  以上、ご参考まで

  • @okimunet
    @okimunet Рік тому +1

    「今ここにいる自分を考えたときに、自由意志のあるなしは本当に問題となり得るのか?」への回答
    自由意志が本当にないと仮定しても、それを自覚できないなら何の意味もありません。
    自由意志があろうとなかろうと、それが本物であれ錯覚であれ、これからも「自由意志」と言われるものを使って生きていくだけです。
    科学的には面白い問題ですが、人生哲学的には無意味。まあ頭の遊びですね。

  • @yeahdo4479
    @yeahdo4479 19 днів тому +1

    ムズイですー😭!いや僕の頭が悪いだけですがw でも理解したいから何回も聞いてみます!

  • @user-wy7qk6lq1b
    @user-wy7qk6lq1b 7 місяців тому

    いつか自由意志と社会性についても紹介していただけると嬉しいです!

  • @前田日明-w8u
    @前田日明-w8u Рік тому

    哲学者は何とかして自由意志の逃げ場を厳密な因果律・情報量保存則を前提とする現代の自然科学の中に作りだそうとしている、ということですね。

  • @funkpipozaru
    @funkpipozaru 3 роки тому

    本書、後半の事例はかなり混乱しますが面白いですね
    実感としては徳治と法治、法治も自然法と実体法
    これらが社会から与えられるものでは無く、徳は脳の生得的、法は創発的に構築され、それこそ決定論の様に社会を構成していってるのかなぁと思いました
    頭がとっ散らかってますが、非常に面白かったです
    いつもありがとうございます
    超お時間ある時にいつか後半の動画もお願い致します

  • @akiraooq8498
    @akiraooq8498 2 місяці тому

    与えられるという意味では、自由意志は無いけど、受け取るという意味では、自由意志は有る。

  • @ShiningReshiram-k3x
    @ShiningReshiram-k3x 4 місяці тому +1

    仏教の真理の"無我"とも通づる

  • @東十条ロック
    @東十条ロック Рік тому

    脳は明らかに複雑系ではあるが、初期値の僅かな違いがとんでもない意思決定の違いに繋がったとしても、意志力によって未来を変えられる事の証左にはならない。
    我々の自由の在り処は初期値の僅かな違いに弄ばれている。

  • @knomura4981
    @knomura4981 2 роки тому

    意識のブーツストラップ理論ですね!

  • @ronogame4223
    @ronogame4223 2 роки тому

    なんか色々考えさせられるね。面白い。

  • @l.l.1204
    @l.l.1204 3 роки тому +1

    同じ行動をしていてもその解釈に差異が生まれてしまうのは何故なのか。

  • @hiromitsu7472
    @hiromitsu7472 3 роки тому +2

    神経中心主義と徹底して対立した考えを持つ、マルクス・ガブリエルの『「私」は脳ではない』の解説動画も是非やって頂きたいです!

    • @哲学チャンネル
      @哲学チャンネル  3 роки тому +3

      マルクス・ガブリエルに関してはどのようにとりあげようか長いこと悩んでいるのですが、その切り口も面白いかもしれません。ご提案ありがとうございます!

  • @katsuhirohashimoto9590
    @katsuhirohashimoto9590 2 роки тому +1

    まさに諸法無我

  • @大小島
    @大小島 Рік тому

    精神は、イデアに向かおうとする?

  • @jubako-no-sumi-wo-tutuku
    @jubako-no-sumi-wo-tutuku 2 роки тому +1

    無秩序なのではなく、現状単に処理能力が不足しているだけ…という可能性はありませんか?

    • @user-ul9dx5lk9s
      @user-ul9dx5lk9s Рік тому

      それは例えば円周率はその内に割り切れる。と言うのと同じで『可能性はある』と言えると思います。ただ現状【全てのものに可能性はある】と認識されてる世界では「可能性」がある時点で情報処理しきるのは難しいかなと🤔

  • @user-xy8pf2ph5o
    @user-xy8pf2ph5o Рік тому

    汝、それなり

  • @user-pu9og2ci1z
    @user-pu9og2ci1z 3 роки тому +1

    自分自身という神を自由に起動や停止できないから こうなっているだけであるとしたら? 自由意志が神じゃないから自然現象として創造と破壊と守護が発生しているとしたら?

  • @東十条ロック
    @東十条ロック Рік тому

    意識とは創発? 秩序なんでしょうか?
    そこが私にはわかりません。生命は動的秩序、散逸構造。
    では意識とは? 意識に秩序があるのか?