【ASD】自閉スペクトラム症の症状と診断基準をわかりやすく解説します【早稲田メンタルクリニック 切り抜き 精神科医 益田裕介】

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  • Опубліковано 11 гру 2024
  • 今日は「自閉スペクトラム症の診断、症状」について解説します。
    自閉スペクトラム症は英語ではAutism Spectrum Disorderと言い、略してASDと呼ばれています。これはDSM-5というアメリカの診断基準(世界標準)に基づいています。
    診断基準は下記のA~Eをすべて満たす必要があります。
    ■A:複数の状況で社会的コミュニケーションおよび他人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点及び病歴で明らかとなる。
    「複数の状況」…家、学校、会社どんな場所でも
    当たり前だと思うかもしれませんが意外とそうではありません。
    家ではおどおどしてしまう、家ではよく喋るのに学校だとモジモジしてしまうということがあります。
    「社会的コミュニケーション及び他人的相互反応」…文化、TPOに合わせた行動ができない
    社会的な文脈に合わせた行動と家族など親しい人とのコミュニケーションは違うのですが、その両方において問題が継続しているということです。 
    「現時点及び病歴で」…今も昔も問題がある
    例)対人関係での感情的やりとりができない
    ・会話が苦手
    ロボットと話しているようで、こちらの気持ちを汲み取ってくれない。
    感情がまったくないわけではありません。ですが、それがうまく噛み合っていきません。
    ・身振り、暗黙の了解がわからない
    身振り手振りでのコミュニケーションが難しく、暗黙の了解がわかりません。
    ・人間関係が苦手
    人間関係を新しく作ったり維持することが苦手です。
    ■B:下記の4つのうち2つ以上
    1.常動的な行動
    同じような行動を取り続ける。オウム返し。独特な言い回し。
    例)おもちゃを一列にずっと並べ、並べたら片付け、また並べる
    2.同一性、習慣へのこだわり
    毎日同じ道順をたどったり、同じようなものを食べ続けたりします。
    3.限定的な興味
    電車だけが好き、魚だけが好き、地図だけが好きなど限定的です。
    4.感覚過敏、鈍感さ
    特定の匂い、セーターのちくちく。これらが苦手(感覚の過敏さ)
    逆に疲れていることに気づかない、熱いお風呂にのぼせるまで入ってしまうなど。
    これらのBの要素もA(複数の状況で社会的コミュニケーション及び他人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点及び病歴で明らかとなる)である必要があります。
    ■C:発達早期から存在
    子どもの時からこのような症状がある。
    ■D:社会的障害がある
    コミュニケーションに難があり、オタク?ではあるけれど、大学にも行けているし、会社にも行っている。そのような場合にはどう考えるか、どれくらい広く取るかで意見が分かれます。
    精神科の診断は社会福祉の要素もあるので、実際にその人がどれくらい生活に困難を覚えているか、社会的援助を必要としているかに応じて診断が決まってきます。ですので、現実的な困難を感じているけれど、社会保障のレベルまでは達していない場合は「グレーゾーン」と呼ばれたりします。
    でもそれで良いのかという意見もあります。
    早く診断することで良い場合もあるし、薬物治療を早く始めることで本人が自信を失わなくて済むという場合もあります。逆に、発達障害には成長の余地もあるのでそんなに早くから診断して良いのかという意見もあります。
    どんどん診断した方が良い派の先生と慎重派の先生がいた場合、しかし臨床現場では真逆で、どんどん診断する派の先生の方が診断基準が狭く、慎重派の先生の方が診断基準が広い場合があります。
    このように、言論としては逆に見えても臨床としては皆真ん中に寄ってくるので、あまり心配しなくても大丈夫です。
    ■E:全般的な知的能力障害ではない
    能力が全体的に低いから問題が起きているのではなく、特定のことだけができないというのが発達障害の定義でもあります。
    知的能力の障害ではありません。大学生である時点で全般的な知的能力の障害ではないとも言えます。
    ただ、発達障害と知的障害を合併することもあります。
    ■心理検査や脳波検査は必要?
    心理検査や脳波検査は絶対必要ということはありません。特に脳波検査は研究段階です。
    心理検査も、検査をした方がわかりやすい、患者さんの嘘を見破りやすいということはありますが、必須ではありません。
    きちんと現時点の問題と病歴、診察室でのコミュニケーションの感じなどで評価していきます。
    治療については、ASDは基本的に薬物治療はありません。薬が効くのは感覚過敏や鈍感さのみです。
    その他についてはカウンセリングやソーシャルスキルトレーニングが必要になります。
    ADHDを合併していることも多いですが、そちらは薬物治療もできます。
    以上、自閉スペクトラム症の症状と診断の解説をしました。
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    ▼自己紹介
    益田裕介
    防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
    趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。2020年6月5日より断酒継続中。
    ▼参考
    厚労省みんなのメンタルヘルス www.mhlw.go.jp...
    カプラン 臨床精神医学テキスト第3 www.medsi.co.j....
    倫理規定について note.com/menta....
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