方丈記より「元暦の大地震」 / 筑前琵琶 川村旭芳

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  • Опубліковано 27 кві 2021
  • 方丈記より「元暦の大地震(おほなゐ)」
    鴨長明『方丈記』原文抜粋 / 川村旭芳 節付(2015年作)
    The earthquake of Genryaku ―KAMO no Chomei "Hojoki"(An Account of My Hut)―
    阪神・淡路大震災から20年の節目を迎えた2015年、
    またその翌年には東日本大震災から5年を迎えるにあたって、この琵琶曲を創作。
    2015年3月11日 東京で開催された「東日本大震災 鎮魂と復興の集い」にて初演
    【琵琶曲詞章】
     ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
    よどみに浮ぶうたかたは かつ消えかつ結びて 久しくとゞまりたるためしなし
    朝に死に 夕に生るゝならひ たゞ水の泡にぞ似たりける
    不知 生れ死ぬる人 何方より来たりて 何方へか去る
     時は元暦二年文月九日 おびたゞしく大地震ふること侍りき
    そのさま世の常ならず 山は崩れて川を埋み 海は傾きて陸地をひたせり
    土裂けて水涌き出で 巖割れて谷にまろび入る
    なぎさ漕ぐ船は波にたゞよひ 道行く馬はあしの立ちどをまどはす
    都のほとりには在々所々 堂舎塔廟 一つとして全からず
    或は崩れ 或は倒れぬ
    塵灰立ちのぼりて 盛りなる煙の如し
    地の動き 家の破るゝ音 雷にことならず
    家の内に居れば忽にひしげなんとす 走り出づれば地割れ裂く
    羽なければ空をも飛ぶべからず 龍ならばや雲にも乗らむ
    恐れのなかに恐るべかりけるは たゞ地震なりけりとこそ覚え侍りしか
     かくおびたゞしくふる事は しばしにて止みにしかども その余波しばしば絶えず
    世の常 驚くほどの地震 二三十度ふらぬ日はなし
    十日 廿日過ぎにしかば やうやう間遠になりて 或は四五度 二三度
    若しは一日まぜ 二三日に一度など おほかたその余波 三月ばかりや侍りけむ
     すなはちは 人みな あぢきなき事を述べて いさゝか心の濁りもうすらぐと見えしかど
    月日かさなり年経にし後は 言葉にかけて言ひ出づる人だになし
     すべて世の中のありにくゝ 我が身と栖との はかなくあだなるさま またかくのごとし
    【現代語訳】
     ゆく河の流れは絶えることがなく、なおその上に、もとの水と同じではない。
    流れが滞っているところに浮ぶ水の泡は、一方では消え、一方では生じて、長い間同じであり続ける例はない。
    朝に死ぬ人があるかと思うと、夕方に生まれる人があるという人の世のならわしは、全く水の泡に似ていることである。
    私には分からない、生まれたり死んだりする人は、どこから来て、どこへ去ってゆくのか。
     時は元暦二年(1185年)七月九日、ものすごく大地が揺れることがありました。
    その様子は尋常ではない。
    山は崩れて河を埋め、海は傾いて陸地を水浸しにした。
    地面は裂けて水が湧き出し、岩は割れて谷に転がりこむ。
    海岸近くを漕いでいる船は波に漂い、道を行く馬は足の踏み場をまごつかせる。
    都の郊外では、あちらでもこちらでも神社仏閣の建物が、一つとして完全なものはない。
    あるものは崩れ、あるものは倒れてしまった。
    塵や灰が立ちのぼって、盛んに上がる煙のようである。
    地面が動き、家が破壊される音は、雷と異ならない。
    家の中に居れば、すぐに押しつぶされそうになる。走り出れば、地面が割れ裂ける。
    羽がないので、空を飛ぶこともできない。龍であるなら、雲にも乗ろう。
    恐ろしいものの中で、とくに恐れなければならないのは、まったく地震なのだなあと思われました。
     このようにひどく揺れることは、しばらくして止んだけれども、その余震は、しばらくの間は絶えない。
    世間で一般的に驚く程度の地震が二、三十度揺れない日はない。
    十日、二十日が過ぎてしまうと、だんだん間隔があいて、あるいは一日に四、五度、二、三度、または一日おき、二、三日に一度など、だいたいその余震は三月ほどもありましたでしょうか。
     当座は、人々はみな無益なことを言って、いくらか心の穢れも薄らぐと思われたが、月日が重なり、年数が経った後は、言葉に出して言い出す人さえいない。
     だいたい、世の中が生きにくく、我が身と家とが頼りなく、かりそめなものである有様は、またこの通りである。
    ※A4版の詞章・現代語訳はこちら↓
    kyokuho-biwaga...
    演奏:筑前琵琶奏者 川村旭芳 kyokuho-biwaga...
    撮影・編集:七ッ谷正文(NANU ARTS) www.nanu-arts.com/
    撮影場所:エル・おおさか(大阪市) 2020年
    題字・冒頭句揮毫:野田岳豊 gakuho.sakurawe...

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