世界基準の性教育を日本でも…性と人間関係のこと“まるっと”学ぶ【包括的性教育】|Talk Gender〜もっと話そう、ジェンダーのこと〜

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  • Опубліковано 7 лют 2025
  • 生殖や性交だけでなく、人間関係を含む幅広い内容を学ぶ「包括的性教育」。国際的な基準をもとに、日本の文化や学習指導要領などに合わせた教材で学べる『まなブック』が公開されています。作成メンバーの1人、順天堂大学の西岡笑子教授にその必要性をききます。
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    ◾️互いを尊重してより良い人間関係を目指す「包括的性教育」
    報道局ジェンダー班 庭野めぐみ解説委員:
    包括的性教育とはどういうものですか?
    順天堂大学保健看護学部 西岡笑子教授:
    包括的性教育の目的は、学習者のウェルビーイングの実現にあります。ウェルビーイングとは単に病気でないだけではなく、肉体的や精神的、社会的に全てが満たされた状態のことを言います。
    包括的性教育は人権をベースとした教育で、お互いのことを尊重し、より良い人間関係を築くことを目指します。生殖や性交だけでなく、性的同意や性の多様性、ジェンダー平等、コミュニケーションなど、人間関係を含む幅広い内容を体系的に学びます。
    庭野:人としてお互いに尊重し合うことを、包括的にやっていくのですね。国際的にも進んているということですが?
    西岡:『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』というものがございます。ユネスコが2009年に出版し、改訂版は2018年に出版されています。欧米先進諸国だけでなく、東アジアでもこちらを参照して性教育が行われています。幼少期から発達段階に合わせて、知識を習得するだけではなくて、態度や価値観、関係性のあり方なども含めて、継続的に学習をしていくというものです。
    『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』には、8つのキーコンセプトがあり、
    1.関係性
    2.価値、権利、文化、セクシュアリティ
    3.ジェンダーの理解
    4.暴力と安全の確保
    5.健康と幸福のためのスキル
    6.人間のからだと発達
    7.セクシュアリティと性的行動
    8.性と生殖に関する健康
    という要素から成り立っています。
    ◾️『まなブック』で5歳からはじめる包括的性教育
    庭野:西岡先生は、厚生労働省の研究班(研究代表者は荒田尚子氏)で、この包括的性教育を国際的なガイダンスに基づいて学べるテキストブック『まるっと からだとこころの科学 まなブック』を作られました。 “まるっと”は包括的という意味ですか?
    西岡:包括的という言葉が少し難しいので、わかりやすく表現するためにはどうすべき考え、 “まるっと”という表現がいいと思いました。
    庭野:冊子は年齢別でレベルが分かれていますが、それぞれのレベルで目標はありますか?
    西岡:レベル1(5~8歳)では自分を大切にすること、レベル2(8〜12歳)は第二次性徴でからだが変化する頃ということで、1人1人が違いを認め合うということ。レベル3(12歳〜15歳)で選択肢を知って、レベル4(15~18歳)で自分で決めるということです。
    庭野:レベル1では「み~んなかぞく」というページで、お母さんが2人、あるいはお母さんだけといった、いわゆる夫婦が“男女”ではない家もあるということ。また、「かぞくのやくわり」でも、お父さんが食事を作っていて、息子は洗濯物を畳むとか。つまり、“お母さんが食事をつくる”といった固定的な観念を最初の1ページから崩しているんですね。
    西岡:レベル2になると、第二次性徴が始まってくる頃ですが、冒頭に「性はグラデーション」と書きました。性別に違和感がある生徒さんもいらっしゃるので、第二次性徴のからだの成長のことから始まってしまうと、そこから先はシャットアウトということにもなりかねません。
    庭野:自分は男の子だと思うが、からだが女の子の場合に、生理が来てしまうと悩んでいる人に最初からその話をすると、ものすごく悩みが深まってしまいますよね。
    西岡:人の数だけ性がありますよということですね。男らしさ、女らしさではなく、大切なのはどんな自分でいたいかということです。
    ◾“生涯で6年半”月経中の快適さは現代の重要なテーマ
    西岡:レベル2でイチオシのページは、「月経中も気持ちよくすごすコツ」です。『国際セクシュアリティー教育ガイダンス』には、月経中も気持ちよく過ごすコツについてアドバイスをするべきと書いてあるんです。
    庭野:たとえば、からだを冷やすと痛みが強く感じられることがあるから、暖かい下着などを身につけましょうとか。
    西岡:現代の女性は妊娠や出産の回数が減っていて、昔に比べると、月経の回数や日数が増えています。計算すると、1回の月経が例えば5日間あるとすると、生涯で約6年半もの間、月経中ということになります。そうすると、いかにこの6年半を快適に過ごせるかというのは、非常に重要なテーマになってきていると私は考えています。
    庭野:女子だけでなく男子もページを見れば、「こういうふうに女の子たちは大変なんだから、一緒に考えてあげよう」となりますよね。
    西岡:それから、中学生くらいになると付き合う子達も増えるため、付き合うとはどういうことかを書いていたり、性的同意についてはイエス(と言った時)だけですよと明確に伝えたりしています。
    庭野: “黙っているからいいんじゃないか”“ニッコリしてるから大丈夫じゃないか”と抱き付いちゃうのではなく、「いいよ」と言わないと、それは同意を得たことにならないですよね。
    また、レベル3の冊子を見ると、「キスしたからってその先もOKとは限らない」「1回OKでも、その次もOKとは限らない」と細かく書いてありますね。
    西岡:非強制性、対等性、非継続性という3つの大切なことを書いています。
    ■日本と世界の違い「セックスについてはどこまで教えよう」?
    庭野:モデル事業として、先生の研究班が『まなブック』を作り、一部の学校で取り入れているところがあるということですが。
    西岡:研究の一環として、都内の私立の中高一貫の女子校の校長をはじめとした先生方にご協力いただきまして、中学1年生と高校1年生と高校3年生の生徒に、『まなブック』を使用して、保健体育の授業を行ってもらいました。
    庭野:日本の学習指導要領では、どの学年でどの内容を教えるということがかなり厳密に文科省によって決められています。例えば、「セックスについてはどこまで教えよう」という点でも制約があると思うんですが、学習指導要領と国際的なガイダンスの両方で整合性をとって作っていく際に、どのように工夫されましたか?
    西岡:国際的なガイダンスなので、日本の社会的、文化的な背景を含めた議論が必要と思いまして、“(国際的なガイダンスで)レベル2に書かれているから、(まなブックの)レベル2に掲載”といったわけではないところが一部あります。学校の先生や保護者の方などさまざまな方に意見を伺って、今の形を作っています。
    学習指導要領上では触れていないものに関しては、本冊と別冊で、冊子を分けています。そして、別冊を使って学習するかどうかは、授業を行う学校の先生や保護者の方のご意向などを話し合って、決めてもらいます。
    ◾️SNSの普及で…“大人もレベル1から勉強を”
    庭野:私は高校生の息子がいるのですが、高校生ぐらいで学びはじめても間に合いますか?
    西岡:大学の授業でこうした冊子を作っていることに触れることがあるのですが、何年か前にまだ全て完成していない時期にレベル1の冊子を紹介したところ、「大学生の私たちが見てもすごく勉強になる内容だった」というような感想をもらったことがありました。
    日本では、幼い頃からの継続的な発達段階に合わせた学習がこれまで行われてきませんでした。なので、保護者の方も、どうやってお子さんに伝えたらいいかわからず、話しづらいということもあるので、大人の方もレベル1から、勉強していただけたらと思います。
    庭野:こうしたことを学ぶ機会が先生も親もなかなかなかったので、今からでも少しずつ学んでいければいいということですね。
    性加害者の治療にあたっている専門家が彼らに包括的性教育を行ったところ、「触っちゃいけない」とか、「相手の気持ちを考える」ということをもっと若い時に知りたかったと言われたそうです。
    西岡:今、インターネットやSNSなどを幼い頃から目にする機会が多く、誤った情報が入ってきてしまうことがあると思います。なので、科学的に正しい知識を幼い頃から発達段階に合わせてきちんと学ぶことが大切になっていくと思います。

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