リバタリアニズム(自由至上主義)【正義と善#4】

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  • Опубліковано 15 вер 2024
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    動画の書き起こし版です。
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    こんにちは。哲学チャンネルです。
    功利主義の思想は社会全体の幸福度の最大化を目指しますが
    その場合、全体の幸福のために個人の自由が制限されてしまう可能性があります。
    我々の自由はどこまで保証されるべきなのか?
    これについて、一番自由を重視する立場が【リバタリアニズム】です。
    リバタリアンの思想を簡潔に表すと
    『他者の身体や、正当に所有された物質的・私的な財産を侵害しない限り
     各人が望む行動は基本的に自由である』
    と表現できるでしょう。
    リバタリアニズムにおいては、社会全体の幸福ではなく
    個人の自由を徹底的に重視します。
    (もちろん、それが最終的に社会全体の幸福に繋がるという思想です)
    あくまでも自分の身体や所有物は自分自身に所有権があるため、
    例えば自分の身体を国家が強制的に利用する徴兵制に反対します。
    また、徴税は私有財産権を侵害していると考えるため
    福祉国家にも否定的です。
    『リバタリアンは人間の自由という名において
    制約のない市場を支持し、政府規制に反対する』
    サンデルはこのように表現しました。
    リバタリアン的思想にはジョン・ロックが提唱した
    自己所有権と労働所有権の原理が根付いています。
    ロックの考えを簡潔にまとめると
    1,この世界にある全てのものは全ての人の所有物である
    2,ただし、自分自身は自分の所有物である
    3,さらに、自分自身の労働によって生産されたものは
      その人の所有物である
    となります。
    このことからリバタリアンは自傷的行為を行うものを
    保護する法律に反対します。
    サンデルはこれを
    『パターナリズム(父親的温情主義)の拒否』と表現しました。
    例えばシートベルトをしていないと罰せられる、
    ヘルメットをつけていないと罰せられるなど
    そうした法律は、自分でどんなリスクを取るかを決める自由を侵害していると考えます。
    第三者に危害が及ばない限り、
    また自分で医療費を払える限りにおいては
    国家にそれを制限する権限はないのです。
    また、彼らは道徳的法律も拒否します。
    多数派の持つ美徳の概念で自由を制限するのは不当だとし
    例えばトランスジェンダーにおける婚姻の問題などには
    国家が不当に介入してはいけないと考えます。
    また、売春などを取り締まる規制に関しても
    それが当人同士の合意を含む行為であれば
    それを阻む法律は正当なものとはなり得ないと考えます。
    サンデルはリバタリアンの政治的立ち位置について
    『リバタリアンの哲学は政治勢力図の上に
    きちんとした位置を持っていない』と表現しました。
    しかし、アメリカでリバタリアン党を創設したデイヴィッド・ノーランは
    リバタリアニズムの立ち位置をノーランチャートとして提示しました。
    この表を見ても分かるとおり、
    リバタリアニズムでは経済的にも個人的にも自由を重視します。
    ここでいう『経済的自由』とは市場における国家の介入の度合いのことです。
    リバタリアニズムにおいては自由放任主義(レッセフェール)の思想のもと
    市場への政府の介入を一切否定します。
    自由競争こそが市場の向上に繋がり、
    ひいては社会全体の利益に結びつくと考えており
    市場で起こる諸問題は政府の介入や規制が引き起こしているとも指摘します。
    一般に【リベラリズム】も自由主義と認識されますが
    リベラリズムにおいては市場への国家の介入を認めます。
    つまり市場の自由は軽視される傾向にあるのです。
    このことからリベラリズム(自由主義)と混同しないために
    リバタリアニズムを【自由至上主義】と呼称したりします。
    リバタリアニズムの意義は
    なんといってもその自由の主張でしょう。
    確かに私たちは自然権とも呼べる自由の権利を
    有しているように思われます。
    ときに全体のためにその自由を侵害されることがありますが
    それが果たして『正しいことなのか?』と問い直すことは重要です。
    また、政府に対する考え方の再検討にも役立つように思います。
    リバタリアンは政府の介入による自由の侵害を許しません。
    それはときに強弁のように感じますが、
    一方で政府に頼り切って、その責任を半ば放棄するような姿勢と違い
    0から社会がより良くなる方法を考え直す主張だと捉えることも出来るでしょう。
    とはいえ、リバタリアニズムは様々な批判にさらされています。
    一番わかりやすい批判は社会的弱者についての問題でしょう。
    政府には社会的弱者を守る機能があります。
    この介入を認めないということは、社会的弱者を切り捨てるということになりかねません。
    自己責任論を盾に、社会的弱者は自分自身に問題があるとして
    社会全体で助け合うことを放棄しても良いものでしょうか。
    また、道徳の観点からの問題も考えられます。
    例えばリバタリアニズムの思想に則ると
    当人同士が合意した臓器売買、自殺幇助、合意による食人など
    これらの行為が合意したもの以外の自由を侵害しない場合
    第三者がそれを禁止することは自由の侵害であると主張できてしまいます。
    しかし『道徳的に』これらは許されるのでしょうか?
    サンデルはこのような道徳それ自体の重要性を考えるのに
    カントが提示した道徳論が役立つだろうといいます。
    私たちには自由に先立って適応されるような道徳が備わっているのでしょうか?
    次回はカントの道徳論について触れたいと思います。
    以上です。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    #リバタリアニズム
    #正義と善
    #哲学チャンネル

КОМЕНТАРІ • 31

  • @クエイボマローン
    @クエイボマローン 2 роки тому +5

    個別最適が全体最適 
    国家による設計は全体不最適
    企業による労働者の搾取は自由の侵害

  • @aimusicn.korean5263
    @aimusicn.korean5263 3 роки тому +9

    功利主義などは規範倫理学上の立場である一方、リバタリアニズムなどは政治哲学上の立場だと思いますが、これらは同じ階層の主義ということになるのでしょうか?それとも前者が基礎で、後者は前者の応用でしょうか?

    • @哲学チャンネル
      @哲学チャンネル  3 роки тому +9

      同じ階層ではないと思います。確かに同じ階層のような誤解を与える内容だったかもしれません。反省です。
      おっしゃる通り定義としては功利主義は倫理学、リバタリアニズムは政治哲学にカテゴライズされ、両者の階層は違うため同じレイヤーで比較するのはあまり意味がないかもしれません。
      この場合は一旦抽象度を下げて『功利主義的な考え方をする人』『リバタリアニズム的な考え方をする人』と対抗軸を作ると議論の種にはなりそうな気がします。

    • @aimusicn.korean5263
      @aimusicn.korean5263 3 роки тому +4

      @@哲学チャンネル 確かにそういう対抗軸で考えると良さそうですね。ありがとうございます。

  • @masai8301
    @masai8301 6 місяців тому +1

    ■【質問】→『反論する自由すらある』という自由すらあるとする。では、どちらの“自由”が『Liberty』で、どちらが『Freedom』でしょうか?または、それらの内のどちらでもないか?

  • @MARIA.6
    @MARIA.6 3 роки тому +8

    1万人おめでとうございます✨

  • @apricosoiri
    @apricosoiri 3 роки тому +8

    細かいところですが、リバタリアニズムは、個人の自由を徹底的に尊重することが、最終的に社会全体の幸福につながるか否かは問題にしていないのではないでしょうか。社会全体の幸福につながらなくても、たとえ地球が滅亡するとしても、いかなる場合でも個人の自由が絶対。これがリバタリアニズムだと思っていました。

  • @user-mb7cw7xi1s
    @user-mb7cw7xi1s 3 роки тому +12

    リバタリアンは幸せより自由を優先するものだと思ってたけど、
    自由が幸せにつながると信じてたんだ!

  • @yabanjin-soulchannel2436
    @yabanjin-soulchannel2436 2 роки тому +4

    功利主義もリバタリアニズムも極論すぎますよね。でもまずはこういう極論から少しずつ寄せていくのが一番の近道なんでしょうね。「正義と善」←なかなか興味深いです。

  • @ハドリ君
    @ハドリ君 7 місяців тому +2

    なんでリバダリアリズムについて触れながら、ロールズの分配的正義を批判したロックの潮流を踏むノージックにの議論と左派リベラリズムの平等主義に触れないんですか?これを触れなくしてはリベラリズムの正義論は理解できないと思うのだが

  • @KN-yz8cw
    @KN-yz8cw 3 роки тому +20

    自由主義の行き過ぎで格差が広がったという説は完全な間違いです、アメリカも日本も新しい法律は年々増えています、むしろ既得権を守るために法律が作られ上澄みが社会主義になっているのです、しかし既得権は自由至上主義をスケープゴートにしています。なのでリバタリアニズムは思想として優秀です

    • @クエイボマローン
      @クエイボマローン 2 роки тому +2

      その通り

    • @gwdapwd16766
      @gwdapwd16766 Рік тому

      よくパヨクもネトウヨも新自由主義ガー!とか市場原理主義ガー!と言いますが間違いですよね。

  • @user-th7jo5xf2f
    @user-th7jo5xf2f 3 роки тому +7

    逆に、国家の存在することの“意味”を、考えさせられました。

  • @funkpipozaru
    @funkpipozaru 3 роки тому +7

    とても難しい問題ですね
    今は個々の分断により、不本意に乃至は、無意識にリバタリアニズムに向かっている
    つまり、社会的弱者も国家を感じることが出来ないため,諦めと共に自発的にリバタリアリズムを採用してしまっているようにも思います
    的外れだったら申し訳ありませんが、本当に怖いです

    • @nviolet152
      @nviolet152 3 місяці тому

      リバタリアン(少数派)の中には義務論者ではなく功利主義者もおり、そのような人々は道徳よりも主に実用的な理由からリバタリアニズムを主張します。

  • @user-jl1fm8zh8j
    @user-jl1fm8zh8j 3 роки тому +7

    気持ちは分かるのですが、結局今の新自由主義社会のように、むしろ殆どの人の自由は制限されると思います。

  • @kmz9686
    @kmz9686 2 роки тому +3

    リバタリアンの労働に対する考えで抜けているのは搾取が抜けている。会社とはどの様な形態の会社であっても、労働力の搾取の上に成り立つ。全ての人々が他者を雇わない個人事業主でないと矛盾が生まれる理論。徹底的な自由を尊重するならば他者の自由を制限し労働力の搾取で利益を大きくするのは矛盾が生まれる。結局、もっともバランスがイイ政治形態は中道だと思うな~…。様々なタイプの人々に柔軟に対応出来る。リバタリアンの様に自由の尺度を図り間違えていると結局不満しか生まれない(搾取さえも自由と捉える自己矛盾)。自由にするからこそ福利厚生をしないと貧富の格差は拡がり国民の精神的バランスが崩れ、結局破綻を招く。しかし自由民主資本主義的な先進国は、このバランスをしっかり考慮出来てるのか甚だ疑問しかない(無理矢理の正当化に感じる)。

  • @mikio8740
    @mikio8740 2 роки тому

    自由競争により独占、寡占企業がその自由を侵すのではないか。日本人の古来の思想がこれからの
    未来に必要かもしれない。

  • @空蝉-i4q
    @空蝉-i4q 3 роки тому +3

    基本的な疑問は土地や自然資源の所有をどう考えるのかということ。
    ロックの1世界は全ての人の所有 と 2&3個人とその労働は個人の所有 は両立不可でしょう。
    土地や地下資源や水や空気やエネルギーを発見者や購入者の所有とする発想ってどうなのか。
    ロック時代の大英帝国なら未開地を侵略すればよかったが、現代それが通用するとも思えません。

  • @鈴江宣子
    @鈴江宣子 2 роки тому

    労働
    自己管理
    自由発想からの表現

  • @user-jn2zv6pc9g
    @user-jn2zv6pc9g 3 роки тому +7

    全ての人を納得させる事は難しいだろうし、各々が利己的に生きれば良くない?

  • @user-ob8or3md1l
    @user-ob8or3md1l 2 роки тому

    私は悪いことをしてないがひどいめにあっているのは食べているから。術にもかかるし。ただ因果応報で悪いことしてない人間に嫌がらせ犯罪をしたらひどいめにあっているのでは。同和は隠している。

  • @user-ob8or3md1l
    @user-ob8or3md1l 2 роки тому +1

    ウォーターゲート事件をディープスロートというのはやめた方がいいのでは。元は非常のHな意味だし。本当にそのままの意味でウォーターゲート事件でHな意味のディープスロートがあったかもしれないが。笑。