強迫性障害【強迫観念と強迫行為(確認行為)の2つの強迫症状。精神科医が15.5分でまとめ】

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  • Опубліковано 14 лют 2023
  • 0:05 はじめに
    0:41 ①強迫性障害を考える場面
    1:14 ②強迫性障害とは
    4:04 ③強迫性障害の診断基準
    6:06 ④強迫性障害のメカニズム
    6:54 ⑤強迫性障害の鑑別疾患と併存症
    9:39 ⑥「巻きこみ」に注意
    10:54 ⑦強迫性障害の治療
    13:21 ⑧強迫性障害の病期と対応
    14:34 まとめ
    強迫性障害は、特定の考えが急にきて頭から離れない「強迫観念」と、手洗いなど強迫観念を打ち消すための「強迫行為(確認行為)」が特徴の精神疾患です。
    薬物療法は抗うつ薬継続が基本、そこに「確認をあえてせず、不安に徐々に慣らす」暴露反応妨害法を組み合わせていきます。
    精神科医が約15.5分の動画にまとめています。
    出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
    こころ診療所吉祥寺駅前 kokoro-kichijoji.com
    府中こころ診療所 fuchu-kokoro.com
    チャンネル登録お願いします  / こころ診療所チャンネル
    ↓↓内容の詳細は下記になります。
    <はじめに:強迫性障害>
    心療内科、精神科の病気。今回は「強迫性障害」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。よく世間では「きれい好き」とか「潔癖症」などの話が出てきますけれども、それでは説明できない強すぎる確認などが出てくるのが「強迫性障害」。
    症状が進むと、ご自身がつらい以外にも、「巻き込み」を通じて、他の人にも影響を与えてしまうおそれがあり、早めの対策は大事です。
    今回は「強迫性障害」について全般的に見ていきたいと思います。
    ①強迫性障害を考える場面
    感染症・感染予防のニュースが流れる中で「手を洗わないと人に移してしまう」という考えが強まって、手洗いは増えたと。
    次第に関係ない時や、手洗い中も「手を洗わないといけない」という考えが浮かんで、時には「馬鹿げている」と分かっていても、手洗いの時間がどんどん長くなっていった。
    結果、時に一回1時間ほどにもなり、仕事でも遅刻、肌も荒れたが、手洗いをやめられない。
    ②強迫性障害とは
    これは2つの強迫症状が生活を脅かす疾患になります。この2つの強迫症状とは、1つ目が「強迫観念」もう一つが「強迫行為」別名「確認行為」。
    1)強迫観念
    これは「意図せず急に入ってくる考え」人によっては衝動やイメージ。
    本人は意識しなくても、馬鹿げていると分かっていても入ってくるのが特徴。
    <強迫観念の例>
    ●確認強迫→鍵を閉め忘れていないか
    ●不潔恐怖→手を洗わないと人にうつしてしまう
    ●加害恐怖→人を傷つけたかもしれない
    2)強迫行為(確認行為)
    強迫観念を打ち消すための行動。しばしばやり過ぎてしまうのが特徴。
    <確認行為の例>
    ●確認強迫→ドアを繰り返し確認
    ●不潔恐怖→手洗いの反復
    ●加害恐怖→気になる現場に行き確認
    <確認行為の悪循環>
    確認することで一回落ち着くも、長期的には悪化。
    まず強迫観念があって、それを打ち消すために確認をする。すると一旦は楽になるんだけれども、ちょっと時間するとまた不安に。
    そうすると、また強迫観念が出てきて確認、悪化が続く悪循環です。
    <生活への影響>
    ●生活の質の低下(時間の消費)
    ●体への影響(手荒れなど)
    ●巻き込み(他者への影響)
    <疫学等>
    ●多くの人には病識あり
    ●3割にチック合併
    ●有病率1%強、平均20歳前後、10代も多い
    ③強迫性障害の診断基準(DSM-5)
    A:「強迫観念」と「強迫行為」どちらかもしくは両方
    (強迫観念の定義)
    1)「繰り返される持続的な考え、衝動もしくはイメージ」。これは「侵入的」意図しなくても急に入ってくるような、ご自身でも不適切だと体験。そして大抵は強い不安や苦痛の原因になる。
    2)この思考などを「無視したり抑えようとする」、でも抑えられない。そして、強迫行為など他のことで何とか中和しようとする。
    (強迫行為の定義)
    1)繰り返す「行動」か「心の中の行為(祈る等)」。強迫観念などに従って、それを中和するためにある種駆り立てられるようにやる
    2)不安や苦痛の緩和を目的としているが、実際やっていることが現実的な解決へのつながりがないか、(繋がりがあっても)明らかに過剰。
    B:社会生活に影響(時間浪費含む)
    C:他の物質だったり、内科的な病気の原因ではない
    D:他の精神疾患では説明ができない
    ④強迫性障害のメカニズム(不明点は多いが想定される要素)
    1)素因とストレス
    なりやすさの違いと、ストレスが発症の引き金になる点
    2)脳の不調
    うつ病と同様の「セロトニン不足」示唆
    3)確認依存?
    依存症同様の「報酬系の不調」が指摘される事あり
    ⑤強迫性障害の鑑別疾患と併存症
    <主なもの>
    1)潔癖症(完璧にしたい為に繰り返し確認)
    強迫性障害→嫌だけど確認、分野が限られる
    潔癖症→好きでやっている、全般的
    2)強迫性パーソナリティ障害(完璧を求めるパーソナリティ障害)
    強迫性障害→侵入思考からの強迫行為
    強迫性パーソナリティ障害→本人の完全主義・こだわり由来
    3)ASD(こだわりが強い発達障害、確認も目立つ)
    強迫性障害→侵入思考からの強迫行為
    ASD→こだわり・変化への不安からの強迫行為
    (但し合併の事もある)
    <他の鑑別疾患>
    ●うつ病
    メカニズムも共通していてよく合併、うつが原因での一過性の強迫も
    ●他の不安障害
    社会不安障害やパニック症など合併も鑑別できることもある
    ●統合失調症
    前駆症状での強迫症状が出る場合あり
    <他の併存症>
    ●醜形恐怖
    外見に対して強迫観念、合併しやすい
    ●他の不安障害
    メカニズム近く、合併も多い
    ●チック症・ため込み症等
    メカニズム近く、合併しやすい
    ⑥巻き込みに注意
    <巻き込みとは何か>
    家族に確認を代わりにしてもらうことを求める等。
    強迫性障害では非常に巻き込みは生じやすく、かつ著明に反復のため相手が疲弊してしまうというのが特徴。
    <巻き込みの例>
    ●他の人に確認をさせる
    ●自分のルールを強要する
    ●従わないと激昂する場合も
    <巻き込みの有害性>
    ●他害性
    激昂の他、繰り返しの要求も、相手から時間、エネルギーを奪い疲弊させる
    ●慢性化のリスク
    症状を人に投げ「他人事」になり、直面からの動機づけが困難に
    なので巻き込みは本当に要注意ですので、まず最優先で巻き込み減らすのが大事です。
    ⑦強迫性障害の治療
    「薬物療法(抗うつ薬)」「曝露反応妨害法」が2本柱。
    1)抗うつ薬(SSRI)
    不安と強迫症状に対しては第1選択。
    効くまではすぐじゃなくて2から8週、かなり時間がかかります。初期の吐き気などの副作用、あと中止した時の離脱症状(体が慣れないもの)に注意が必要であります。
    他の不安障害やうつ病と比べても薬、どうしても多くの量が必要になりまして、かつ症状が全部消えなくて、多少残ってしまいやすい。
    2)曝露反応妨害法
    「あえて確認をしない」ある種の「脱感作法の一種」。
    具体的には、手洗いなどの「確認行為」を「あえて」しない。
    それによって不安が出てくるが、それを回避しないで慣らしていく。
    うまくいくと、徐々に不安に慣れて結果、確認も減ります。
    <成功時の「確認を減らす好循環」>
    まず強迫観念があった時にさっきと違って「確認をしない」→短期的には不安が出てくるが→だんだん慣れてきて改善。→次の強迫観念が減る→次も「確認しない」ことをしやすい。こういう好循環になってきます。
    <注意点>
    まずはこれはかなり大変ですので、基本的には抗うつ薬とセットでやるのが前提と思います。
    そして、調子がいい時に無理をしない徐々にやっていく。かつやった後は、すぐしっかり疲れを取っていくということが大事です。
    あと、大事なのが第三者が強要しないということです。かなり大変なので、ご自身がしっかり意思を持ってやっていくということが大事です。周りの人が「やれ」と言ってしまうのは、ちょっと暴力的になってしまう可能性が高い。
    <補足「不安と共に動く」>
    この暴露反応妨害法は、どうしても不安が減っても「なくならない」というところがあるので、「不安をなくす」というよりも「不安と共に動く」というこの価値観の変化が大事になってきます。
    そして、内側の不安に注目し過ぎると確認したくなるので、内側の不安よりも外側に集中・注意を移していくということは非常に大事です。
    その上で、自分はこうやっていきたいという軸を持って、「するべきことをする」それに集中するということが大事になってきます。
    ⑧強迫性障害の病期と対応
    この強迫性障害、どうしても長期化してしまいやすいので、クリアにいかないことも多いんですけれども、クリアに行く時には3段階になります。
    前期は薬の治療、あと準備の段階。中期が曝露反応妨害法をしっかりする段階。後期が薬を減らしていくという段階になります。
    まず、前期に関しては、まず抗うつ薬をしっかり使って徐々に不安を減らしていくというところ、その上で体調やリラックス法を見ていったり、曝露の前の「目標」をしっかり定めたり、そういったことを準備していきます。
    そして、中期になりますと、ここで徐々に暴露反応妨害法を実際にやっていく。徐々に確認を減らしていって、確認によって狭まってしまった「生活の自由」というのを取り戻していくということになります。
    そして、後期に関しては、十分「生活の自由」を取り戻した段階で、慎重に徐々に薬を減らしていきます。その中で、先程の「暴露反応妨害法」は続けながらやっていきます。
    これどこまで薬を減らすかというのは、症状の重さなどで決まってきます。減らしにくい場合もあるので、これはもうどこまで減らすのかは主治医の先生と相談をしてください。
    <まとめ>
    今回は「強迫性障害」について全般的に見てきました。
    強迫性障害は、強迫観念と強迫行為の2つの強迫症状が特徴でして、生活に強い影響を及ぼす精神疾患です。
    抗うつ薬と曝露反応妨害法の併用が治療の基本になります。その中で「不安をなくす」んじゃなくて、「不安とともに」「するべきことに集中する」ということが大事です。
    この中で、特に巻き込みがある時は要注意になります。どうしても他の人を巻き込むと慢性化したり、他害性を持ったりするリスクがありますので、治療の中でも最優先で巻き込みを減らすということ・巻き込みを解消することに努めていただけたらと思います。
    こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
    府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
    こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
    #強迫性障害 #強迫観念  #強迫行為 #暴露反応妨害法 #確認行為  
    【解説者】
    医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
    精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
    2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。
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КОМЕНТАРІ • 2

  • @user-mr5pd1pu7z
    @user-mr5pd1pu7z Рік тому +1

    大変よくわかりました。 
    何度も巻き込みに注意と言われてますが、実際巻き込みで妻と一時別居です、本当にやっかいな症状だと実感してます

  • @user-od5rm4gs5p
    @user-od5rm4gs5p 12 днів тому

    手洗いや、その他確認はありません。私の場合は掃除に没頭しています。自分の歩いたあと、来客を家に上げたあとは徹底して拭きまくり。
    100均で掃除用品爆買いしてフローリングワイパーがけ、スリッパの裏側まで念入りに拭きあげます。