【輝かしい最高音・日本語字幕】ナタリー・デセイ:シュトラウス2世「春の声」1993年12月31日公演ウィーン国立歌劇場「こうもり」第2幕からのライブ映像 Natalie Dessay

Поділитися
Вставка
  • Опубліковано 15 січ 2022
  • 1993年12月31日にウィーン国立歌劇場で上演された「こうもり」からのライブ映像 。ウィーンでは年末から年始にかけて国立歌劇場で「こうもり」が上演される。このオペレッタの内容は12月31日の出来事なので、この日に上演される「こうもり」は特別であり、2幕のオルロフスキー公の催す舞踏会でこの日限りのスペシャルゲストが招かれるのが慣例となっている。
    この年に招かれたのが、ちょうど同歌劇場でこの時期上演されていた演目「ホフマン物語」に、ドミンゴの相手役のオランピアとして出演していたナタリー・デセイだった。28歳でウィーンデビューを果たしたのでまさにこの招待にふさわしい年齢だった。この映像を見ればいかにウィーンの聴衆の心を掴んでいるかおわかりいただけると思う。曲目「春の声」はシュトラウスが前回の結婚の失敗から立ち直り、その後生涯を伴にするアデーレとの結婚生活への期待を込めた曲として知られ、華やかな旋律に満ちている。デセイが歌い終わり、オルロフスキーを演じるガブリエーレ・ジーマがテーブルに立ち舞台を進めようとしたときも拍手が鳴りやまず、この映像ではカットされているがその後約10分ぐらいにわたって熱狂的なコールが繰り返された。このような熱狂はここウィーンでもなかなか見られないと現地に住む日本人が教えてくれたので、いかにデセイの歌唱が素晴らしかったかがわかる。実際こうもりに出演していたほかの誰よりも声が歌劇場に響きわたっていた。ヘルマン・プライが演じるアイゼンシュタインよりも。彼はこの役でのウィーン・デビューの年だった。コールを受けるときのデセイのエレガントな立ち居振る舞いにも注目して欲しい。日本人オペラ歌手にはなかなかできないことだ。
    この公演は94年のウィーン国立歌劇場来日公演でもほぼ同じメンバーで上演された。ただしオルロフスキーはジーマではなくカウンターテナーのヨッヘン・コヴァルスキーで。彼は地声の会話の台詞と歌声ではすっかり声色が変わるので日本の聴衆を驚かせたものだった。
    ジーマがこの役を演じたのは38歳のとき。まるで宝塚の男役のような颯爽とした風貌でデセイをエスコートしているのが印象的だった。残念ながら2016年に亡くなった。デセイは無理して声を出していたためか、その後何度も声帯を手術し、ついには2013年にオペラから引退している。シュトラウスは最後の伴侶アデーレとともに、ウィーン郊外の中央墓地に眠っている。「春の声」で奏でられるような天使の奏でる竪琴が描かれた墓碑の下で。
    デセイが活躍できた期間は決して長くはなかったが、その輝かしい声と美しい立ち居振る舞いを永遠に残すためにUA-camにアップした。この映像を見て声楽が好きになり、加えて力強い高音が出せることに気づいた少女は、ぜひオルロフスキーに招待されるようなコロラトゥーラソプラノをめざしてもらいたい。音楽教師はそのような才能を発掘していただきたい。日本からデセイ、グルベローヴァを超えるような歌手をこの12月31日の「こうもり」の2幕で観たいものだ。

КОМЕНТАРІ • 3