外断熱と内断熱はどちらが良い?メリット・デメリット

Поділитися
Вставка
  • Опубліковано 14 бер 2024
  • 今回は外断熱と内断熱どちらが良いかについて、現段階の僕なりの結論を解説します。
    外断熱、内断熱はよくわからない人もいると思うのですが、家などの建物は、構造躯体と言われているもので構成されているんです。基礎があって骨組みがあって、みたいな感じです。それが鉄筋コンクリートだったり壁だったりします。そういう躯体をすっぽりと覆って建物の断熱性を担保するというのが外断熱です。
    一方で、内断熱というのは、柱・梁などの構成要素の間の隙間に断熱材を充填する形です。今までの歴史で言うと、この内断熱がポピュラーで、外断熱が最近でもないけどいいよねという感じで出てきた感じだと思います。
    この外断熱の最大のメリットは熱橋になりにくいことです。熱橋と聞いてもわからないと思うので、説明していきます。
    木造の建物を横にスパッと切った断面図で説明します。柱・建物の壁があって、それに対してグリッと囲っている(ピンク色)のが断熱材だと思ってください。断熱材を外側に巻いて壁がつくような形が外断熱になります。
    一方で内断熱は、柱と柱の間に断熱材を充填していきます。ですから、柱は鉄だとありえないです。鉄はバリバリに熱を通すので。内断熱は木造建物ですることが多いです。木は一定の断熱性能は持っているので、内断熱は温暖な地域を中心にまかり通ってきました。
    ただ、木の断熱性能は高いんですけど、断熱材に比べたら柱の部分は少し断熱性が落ちます。木の柱の部分から外からの冷たい温度や熱が入ってきて、熱の受け渡しをするブリッジ(橋)になり、これを熱橋と言うんです。ですから、熱の受け渡しは外断熱にしたらなくなります。
    内断熱で気密しようとすると、内側にテープやシートを貼ったりしないとアカンじゃないですか。しかし外断熱だと、断熱材自体が空気を通しにくい素材であれば、気密も簡単に取れます。そういう面では外断熱にメリットがあります。
    一方で外断熱も万能ではなくて、デメリットもあります。1つ目に、壁の外側の駆体に取り付けるから固定しないといけないことです。内断熱の充填だと、柱と柱の間に断熱材が入るからそれでいいんですが、外断熱の場合は違います。
    断熱材は一見軽いんですけど、壁までの距離があったらビスが短い時と長い時では、重量があった時のいわゆる曲げモーメントが違いますよね。よく「壁がだれる」という言い方をするんですが、ここの固定が難しいです。そして、付けた時は良くても、長い時間が経ったら支えているものが変形してくるので、経年変化が起きやすいという点もあります。
    特に最近は高気密・高断熱で、断熱性能を上げていく傾向です。しかし、外断熱を厚くするのも限界があるんです。3〜5cmくらいだったら固定は割と容易なんですけど、10cmのものとかになると、ビスだったらそれ自体に強度があるわけじゃないので難しいなという側面が出てきます。そういうデメリットもあります。
    一方で内断熱のメリットは、昔から浸透して慣れているし、コストも安くな流ことです。それから10cm・12cmの厚みで性能を担保できる場合は、外壁全体の厚みを大きくしなくてもいいです。充填するものはグラスウールが典型ですけど、16Kを32Kにするという感じで、寸法・見た目を変えずに性能自体を上げる調整がしやすいのもメリットです。
    内断熱のデメリットとしては、外断熱の逆で、熱橋が起きやすくなることです。
    また、木造以外の例えばRC造でいうと、外断熱は図のように、コンクリートの躯体の外に張り付けます。ただ、一部断熱が連続しにくいところがあるので、熱橋問題が出そうなところも出てしまいます。
    RC造だったら、内断熱でも充填じゃなくて、内付加断熱という形でやってもいいと思います。しかしこれは、断熱材の分だけ部屋内が狭くなるので、狭いところに小さいRCを建てたら部屋内はさらに狭くなってしまいます。そこも考えながら、というところだと思います。
    そうすると、内断熱VS外断熱みたいな議論はナンセンスかなと思っています。私は主に、5地域6地域の太平洋側、瀬戸内の温暖なところで家づくりをやっているんですけど、温暖なところでも壁の10〜12cmで断熱を取っても不十分で、もう少し断熱性能を上げたいという潮流が強くなっています。
    例えばZEHレベル(ゼロエネルギー住宅レベル)の断熱は、壁だけでできます。これはHEAT20のG1クラスでもできると思いますけど、これがG2・G3になってくると、壁だけではやりようがなくて、外に付加断熱を張ることが多いです。
    先生たちにもよくお話
    を聞くんですけど、昨今は電気代がすごく上がっていますよね。そうすると、断熱性能を上げて電気代の上昇分をヘッジするという考えもあります。昔はイニシャルコストをかけても、電気代で元を取るのに一定期間以上かかるからG1でもいいと言っていました。しかし今は、G2にはしておいた方がいいです。
    特に松尾先生が費用対効果で考えたG2.5(2と3の間みたいなところ)は、付加断熱と充填断熱を組み合わせると容易になります。今後は1〜4地域という寒いところはもちろんのこと、5・6地域に関しては、この付加断熱と充填断熱を駆使しながらやっていく必要があります。
    外断熱だけで充填断熱の10cmをやろうと思ったら、10cmの壁か、ネオマフォームのようなフェノール系の、5cmで倍の働きをしてくれるものを張るしかないです。5cmということは内断熱の10cmとほぼ一緒になるので、それ以上に外断熱だけで貫通しようと思ったら、それを10cmくらいの厚みにしないとアカンとか、70〜80mmにしないとアカンとなってきます。
    そうすると、固定の問題が出てくると思うので、外断熱に固執するんじゃなくて、内断熱とか内の充填断熱とコンビネーションしてやっていくのが、今後は一番スタンダードになるのではないかと思います。
    もはや内断熱VS外断熱の議論は不要です。あなたのエリアで一番最適なもの。何を目指すべきか。短期で考えて、イニシャルコストの圧縮を考えるのか。家は長く住むのが当たり前という長期の考え方で、インシャルコストは大きくてもトータルコストが下がるG2・G2.5を選ぶのか。そういうことになっていくと思うし、そんな風に考えていただくのが一番自然じゃないかなと思います。
    内断熱VS外断熱ではなくて、まずは自分たちがG2以上を望むかを考えてください。それを望むんだったらこの議論は無用です。G2以下の建物でいいのなら、どっちを選んでもいいと思います。外断熱がしやすいとか、頼む工務店さんが施工に慣れているのならそれを頼むといいと思いますし、内断熱できっちりやるならそれでも全然問題ないと思います。
    そういう感じで判断していただいたらと思います。ぜひ参考にしてください。
    --------------------
    ホームページはこちらです。
    www.m-athome.co.jp/
    新しいモデルハウスはこちらです。
    www.m-athome.co.jp/modelhouse...
    高性能リノベーションはこちらです。
    www.m-athome.co.jp/lp/renovat...
    見学会を受付中です。
    www.m-athome.co.jp/eventinfo/...
    ルームツアーはこちらです。
    / @morishita.athome_room...
    #モリシタアットホーム #外断熱 #内断熱 #付加断熱 #姫路 #工務店 #注文住宅
  • Навчання та стиль

КОМЕНТАРІ • 10

  • @dekirukogames
    @dekirukogames 2 місяці тому +2

    付加断熱の内外は考え方一つですよね。
    まずはどこで気密や防湿ラインを取るか。
    結露の対策を考えると、自ずとどこにするかが決まってくるんじゃないかと。

  • @user-ps6qc7gl2x
    @user-ps6qc7gl2x 3 місяці тому +2

    これから(?)は、内断熱&+αで外断熱がポピュラーになっていくように思いました。
    先生もおっしゃっていたとおり、日本で一般的な工法(在来・2×4)で考えた場合、内断熱の方が壁厚が少なくて済みますし、コストもかかりません。
    しかし民法では、隣地まであまりに近いと隣家側に訴える権利が生じるので、一般的な住宅街では外壁面から隣地境界まで50cm以上確保するように設計をします。
    つまり外壁が厚くなれば、それだけ間取りが狭くなるということになります。(給湯器やエアコンの室外機などの設置場所の確保の問題も同時にあります。)
    ご説明にもありました通り、内断熱は柱の熱橋問題もあり外断熱には劣りますが、併用することで内断熱の熱橋と、外断熱部を薄くすることが
    可能ではないかと考えています。
    一般の方にもわかりやすい板書・解説、いつもありがとうございます。
    次の配信も楽しみにしております。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +1

      補足コメントありがとうございます!

  • @user-dt8tm4lu1q
    @user-dt8tm4lu1q 3 місяці тому +3

    外断熱って欧米の家を基準に考えられてるように思います。基本床下がなく壁を重量物で施工し十分な熱容量を持たせているので外断熱の効果が大きいんですが、日本のように家全体が軽い熱容量の少ない構造だと外でも内でも同じ厚みだと結果はほとんど変わらず、施工の善し悪しの方が影響が大きくなると思います。日本は古来から蓄熱して冬は常に暖かくというような常識がありませんが北の家はとにかく熱をため込んで冷まさないのが基本です。日本はそこまで冷えませんのでねえ、これからますます暑くなってきますので蓄熱より断熱でしょう。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +1

      気候変動ほんとうに深刻ですね。屋根や天井も断熱の強化したほうがですね。

  • @narichiyo_chan
    @narichiyo_chan 3 місяці тому +2

    モリシタさんの解説は頭の中には常に「地域」がありますね、このUA-camは全国の方が観ておられるわけで、解説が全国どこでも通用するハズがないのですが、そのことに触れずに「○○工法がいい」と宣伝されたりして観てる方は勘違いされますよ。日本のどこに住むか家を建てるかによって全く違ってくると思いますね。
    地域を前提にしてほしいものです。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +1

      ご指摘ありがとうございます。注意してゆきます。

  • @user-fo3hl7ww8d
    @user-fo3hl7ww8d 3 місяці тому +1

    日本の建物はもっと断熱材厚みを増やさねばならないと思う。付加断熱と言う複雑なことをずに外壁の柱の幅を厚くする。今は集成柱が一般的になっており、たとえば105mm×200mmの柱も容易に製造できる。この柱を建物の外周部分のみに使う。もちろん基礎や土台や胴差など外周部分はそれに共なって幅を大きくせねばならない。
    コストはかなり上がるが、耐震性能も上がるはずである。建物角の通し柱は200mm角になるが、通し柱のほぞ穴弱点も解消する。全部の柱を太くするのではなく、内壁の柱は通常の105mm×105mmにしておけば従来通りの室内建具が使える。必要な厚みは地域で使い方分ければ良いのではないか。
    このレベルの建物になると構造用面材を外壁に張るだけで内壁の筋交いが不要になるのではないか。そうなると内壁にも断熱材を入れ易くなる。断熱材料がたっぷり必要になるので安価なガラスウールが良いのではないか。そして外壁の室内側には防湿気密シートを施工して壁内結露を防いでおく。さらに気密施工の重要性は増す。壁たけでなく、床や屋根の断熱が強化されるだろう。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +2

      興味深いアイデァですね。どこまでコストが抑えられるか。2×6、2×8の外周中は柱みたいなハイブリット構造もできるかもですね。