【パラドックス#50】ホームズのパラドックス!

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  • Опубліковано 8 вер 2024
  • 古代ギリシャ時代から現在に至る多種多彩な「パラドックス」を解説する【パラドックス】シリーズです。
    第50回「ホームズのパラドックス!」
    イギリスの作家コナン・ドイルの作品『シャーロック・ホームズ最後の事件』では、「天才的な推理力」で知られる私立探偵ホームズが「犯罪社会のナポレオン」であるモリアーティ教授の執拗な攻撃から逃れるために、ロ ンドンのビクトリア駅から大陸連絡急行列車に乗る。
    この列車の停車駅は、カンタベリ ーとドーバーだけで、当初ホームズはドーバーで下車して船で大陸へ渡るつもりだった。ところが、列車が出発した瞬間、モリアーティ教授がプラットホームまで追いかけてくるのが見えた。ホームズは、モリアーティ教授ならば、すぐに特別列車を仕立てて追いかけてくるに違いないと考える。
    ホームズは、カンタベリーで降りるかドーバーで降りるか、どちらかを選ばなければならな い。ただし問題は、モリアーティ教授もその状況をよく理解していて、ホームズと同じ駅で降りようと考え ているということだ。つまり、両者はお互いに相手がどのように行動するかわからないままに決断しなければならない。実は、これは人間活動全般の無数のジレンマの典型例なのである。
    さて、ここではホームズとモリアーティ教授が同じ駅で降りた場合、ホームズは確実にモリアーティ教授から殺されると仮定する。ゲーム理論の用語を使うと、これがホームズにとって最も利益が小さい状態(最小利得)かつモリアーティ教授にとって最も利益が大きい状態(最大利得)になる。
    さらに、もしホームズだけが無事にドーバーで降りることができれば、ホームズは無事に大陸に逃げることができると仮定する。これはホームズにとって「最大利得」かつモリアーティ教授にとって「最小利得」になる。
    結果的に、ホームズは、どちらの駅で降りたのだろうか?
    [参考文献]高橋昌一郎(監修)『論理的思考力を高めるパラドックス大百科』ニュートンプレス、pp. 108-109.
    [クレジット]VOICEVOX: ずんだもん

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