地域賞「原方刺し子の制作・伝承 遠藤きよ子(えんどう きよこ)」

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  • Опубліковано 4 гру 2024
  • 第39回 伝統文化ポーラ賞 地域賞 伝統工芸 受賞者紹介動画
    米沢市に住む遠藤きよ子氏が40年以上にわたって手掛けてきた「原方刺し子(はらかたさしこ)」とは、米沢藩の「原方衆(はらかたしゅう)」と呼ばれた下級武士の妻たちが始めた伝統的な手仕事。布を重ね合わせて図柄を縫い込むことで、着物の耐久性や保温性を高める工夫をした刺し子のひとつだ。
    遠藤氏は米沢織の織元の家に嫁ぎ、義母から刺し子の手ほどきを受けたことで、自身がのめり込むことになったという。なかでも遠藤氏のその後を大きく変えることになったのが、代表的な原方刺し子の手法が散りばめられている「花雑巾」と呼ばれるもの。困窮のために半農半士を余儀なくされた原方衆の妻たちが、武家の目印として玄関に置いた刺し子で、華やかに縫い飾った雑巾。今でいえば玄関マットのようなものだが、その一枚には妻たちの武家の誇りや意地、家族を護る愛情が表現されていたものだった。
    原方刺し子の代表的な図柄は60種類くらい。六角形の枠の中に、子どもの健康や夫の出世を願う意味を込めた吉祥柄など、様々な幾何学模様を縫い込んで創る糸目が美しい。遠藤氏は、その原方衆の図柄を基本に創作柄も取り入れ、自宅でテーブルクロスやタペストリーなど、数多くの刺し子の作品をつくり続けてきた。一方で、地元の学校などで郷土の手工芸として原方刺し子の普及に努めてきた。
    昭和62年、平成2年には刺し子の手引書や作品集を出版し、個展や展示会も開催。平成12年には自宅に「刺し子工房 創匠庵(そうしょうあん)」を設立し、アメリカ、ベルギーやイタリアなど海外の展覧会やワークショップにも活動の幅を広げてきた。
    平成13年米沢市芸術文化協会文化功労賞受賞。平成20年と21年には河北工芸展で山形県知事賞受賞、米沢市功労者表彰を受け、平成30年には創匠庵内に米沢市内の伝統工芸品をPRする「よねざわ伝承館」を設立。同年には農村文化研究所が遠藤氏の技を保存する映像化事業(助成/ポーラ伝統文化振興財団)にも協力している。
    こうした地元に根差した原方刺し子の活動と、これまでの国内外で発信し続けてきた作品づくりの活動を高く評価されている。

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