土石流から50年 スラッシュ雪崩も 富士山「大沢崩れ」の対策工事はいま(静岡県)

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  • Опубліковано 29 жов 2024
  • 噴火による被害に関心が集まる富士山ですが、実は、土砂災害の危険が大変多い山でもあります。富士山にある日本有数の崩れた地形「大沢崩れ」は、対策工事が50年以上、続けられています。流域の暮らしを守る砂防施設はいま、どうなっているのでしょうか。
     富士山の西側斜面にパックリと割れたようなくぼみがあります。「大沢崩れ」です。毎年のように、山肌から大きな石や、大量の土砂が崩れ落ちています。年に平均約15万立法メートル、大型ダンプカー3万台分の土砂が流出する国内最大級の崩壊地です。
    <天野大輔記者>「大沢崩れを源流とする川の上流部です。石や砂が広がり、水は流れていません。川と呼ぶには少し異様な雰囲気ですが、実はここが土砂災害を防ぐ役割を果てしています」
     大沢崩れから流れ出した土砂が下流で被害を出さないよう貯める砂防施設がこの「大沢川遊砂地」です。
    <国交省富士砂防事務所 村松弘一調査課長>「(去年)3月の土石流、スラッシュ雪崩からの土石流の土砂はここまで到達して溜まった」
     2021年3月、大沢川では富士山では雪解けの時期にしばしば起こる現象「スラッシュ雪崩」が発生しました。大量の水分を含んだ雪が土砂を巻き込みながら流れ下る現象で、その時に土砂を受け止めたのがまさにこの場所です。
    <国交省富士砂防事務所 村松弘一調査課長>「もし、これがないと大沢から流れてきた土石流がそのままガラガラガラっと下流に流れていってしまう」
     大雨やスラッシュ雪崩などで起こる土石流は、ここ10年で8回発生しました。全長4kmにおよぶ「大沢川遊砂地」は150万立法メートルの土砂を貯めることが可能で、流域への被害を食い止める土砂災害対策の要なのです。
     遊砂地から2kmほど下流にある老人ホームです。かつて土石流の被害に遭いました。
    <当時の職員 鈴木和美さん>「足元、このくらいだったと思う。この辺にゴロゴロ。そんなに大きな石は全部(扉を)閉めてあったので、入らないから。ベッドの下をゴロゴロ石が流れるくらい、流れていた」
     50年前の1972年、大沢川で大規模な土石流が発生しました。土砂は田子の浦港まで到達し、富士宮のこの施設では床上30cmまで浸水しました。
    <当時の職員 鈴木和美さん>「避難はそこを出た所に(砂防事務所の)出張所があるが、そこに35人位、多少動ける人は。あとはベッドの上でそのまま動かないという形」
     遊砂地の工事は1969年に始まり、2009年に概ね完了しましたが、工事が進む間、こうした土砂災害が度々発生していたのです。近くに住む人たちは50年前の様子をこう振り返ります。
    <流域に住む人>「膝上15cmくらい、みんな家が埋まったり、畳の上に30cm位水が上がったり」「ちょっと低い所にヤギとかニワトリ小屋があった。ガラガラ川が削られて、そのニワトリやヤギは持ってかれてしまった」
     1980年以降、被害が出る土石流は発生していません。半世紀に及ぶ対策工事の賜物です。
    <富士砂防事務所 村松弘一調査課長>「これは沈砂池工という施設の一部で、導流堤という土石流が来た時に外に漏れないように流れを導く施設を造っている」
     富士山周辺の土砂災害対策は、大沢崩れだけではありません。富士山の南側にある立堀沢では沈砂池工という砂防施設の整備が進められていました。
    <富士砂防事務所 村松弘一調査課長>「優先順位は付けているが、土石流対策をやっていかなければならない場所がいっぱいあるので、どこかしらいつも工事をしている」
     富士山の渓流は谷が浅く、狭いため土砂災害の危険性が高く、現在11カ所もの場所で砂防工事が進められているのです。富士山周辺の土砂災害対策は、きょうも続けられています。
    #オレンジ6 #おれんじ 3月24日放送

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