Mauricio Kagel / Exotica -solo by Motoharu Kawashima

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  • Опубліковано 6 вер 2024
  • eX. 3 川島素晴ソロリサイタル「ミューズの贈り物」より
    from eX. 3 - Motoharu Kawashima Solo Recital "Gifts of Muse"
    M. カーゲル/「エキゾチカ」より ソロ(1972)
    Mauricio Kagel / Exotica -solo (1972)
    トーキングドラム&ヴォイス/川島素晴
    Talking Drum and Voice / Motoharu Kawashima
    2007年6月8日 すみだトリフォニーホール 小ホール
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    カーゲルは、アルゼンチンに生まれ、ドイツで活躍した作曲家である。ムジークテアターの実践で知られるが、そのような演劇的要素を含むと含まないとに関らず、作品には常にシニカルなアイロニーが含まれ、そういった「異化」の姿勢こそが、彼の創作を一貫する独自性と言えるであろう。
    《Exotica》は、1970年代に入り、西洋においてエキゾティシズムがもてはやされるようになった頃に作られたもので、6人の演奏者がそれぞれ10個ずつの民族楽器(非西洋圏)を持って、エセ民族言語を繰り広げるといった「いかがわしい」作品である。しかしこの「いかがわしさ」がミソである。カーゲル自身がアルゼンチン出身であることから明白なように、彼は、彼自身が抱いていた西洋人の似非エキゾティシズムをカリカチュアライズし、冷笑する目的でこれに取り組んだわけである。
    1997年にこの作品の日本初演を企画し、自分も演奏者として参加したが、この2007年のリサイタルではソロヴァージョンの上演となった。
    《Exotica》という作品は、幾つかの部分に分かれており、それを演奏のたびにその演奏者たちで構成し直すという「開かれた形式」になっているが、沢山ある部分の中にソロ用の部分も7つほど存在しており、それらについては「ソロヴァージョン」としての上演が許諾されている。
    7つのソロパートのうち、本日上演するのは「D5」の楽譜である。これは、日本が輩出した世界的打楽器奏者であるイサオ・ナカムラ氏がリサイタルでしばしば上演しているので、ともすれば彼の演奏をお聞き及びの方も多いかもしれない。彼はアンサンブル・モデルンの出した《Exotica》のCDでも演奏しており、カーゲルから《ティンパニ協奏曲》を献呈されているから、極めて親しい間柄のようである。
    私はあるとき、この部分の楽譜を眺めていて、ある重大な事実に気がついた。それは、伴奏楽器のパートに、ベートーヴェンの《田園交響曲》の第1楽章のリズム構造、そのままが引用されているという事実である。当然、この事実をイサオ氏が知らないわけがないと思い、あるときイサオ氏にきいてみたところ、彼はそれを知らなかったとのこと。カーゲル本人も、そのことを告げずに録音していたということになる。
    そもそも「悪趣味」を絵に描いたようなこの作品、このソロパートは、さらに悪趣味の極みと言えよう。西洋人がきいて「なんだこのエセ民族音楽は・・・」と思うに至る音楽が、実は西洋音楽の古典的名曲に立脚しているというのだから!(タネ明かしをしないでほくそ笑んでいるであろうカーゲルは、ほんと、確信犯ですな。)
    というわけで、ここでの演奏は、ちょっと悪ノリして、「田園」を強調しております。(それでいながらにして、どこまでもいかがわしく!)
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    このリサイタル全体の内容についてはこちらにまとめております。
    ameblo.jp/acti...

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