出雲神話宿る地で…"塩爺"に弟子入りし、満月と新月に作る塩
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- Опубліковано 4 січ 2025
- 大田市の海岸で、日本に古くから伝わる塩作りに挑戦する女性がいます。公務員を辞め、"塩爺(しおじい)"と呼ばれる師匠に弟子入りして始めた塩作り。深い絆で結ばれた師弟が、出雲神話宿る地で2日間かけて炊き上げる、そんな塩作りに密着しました。
渡部ゆうこさん
「1日目、昨日も7時間位、炊いたんで」
「塩ができました」
そういって、見せてくれたのは、ピラミッドの形をしたきれいな塩の結晶。
ここは、大田市静間町。この場所で、日本に古くから伝わる塩作りが行われています。
目の前の日本海で汲み上げた海水を2日間かけて炊き上げて作る天然塩。
「海水をどんどん足して、煮詰めていきます」
そんな伝統的な塩作りに挑戦しているのが、渡部ゆうこさんです。
「(2日目は)4時間か、5時間(煮詰める)」「風と湿度で、ちょっと時間が定かじゃないんですけど、塩が上がるまで、炊き続けていきます」
むすびや 渡部ゆうこさん
「自然がいかにうまく巡るかをお手伝いして、調整する係でしかないから、あんまりエゴとかの域じゃないところで作業してるのが、すごく気持ちいい」
渡部さんが塩作りをする場所は、日本遺産「静之窟(しずのいわや)」のすぐ隣り。出雲神話の中で、大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)が国造りの策を練ったとされるそんな場所で、渡部さんは、満月と新月の日にのみ海水を汲み上げ、塩作りをしています。
「海底湧水といって、何万年もかけて水が、地球にシミシミしみ込んだのが、こうやって出てくる時に、その土壌の塩基を溶かして溶かして、湧いてきて、それに、川から流れてきた水とか雨が混ざって、ちょうど海水の3%、3.4%くらいを保たれていると言われています」
8年前から、この場所で塩作りをはじめた渡部さん。もともとは、大田市役所の職員で、その後、市役所を辞め、大田市内でカフェを開いたりしていました。
渡部ゆうこさん
「8年前に私、ちょっと脳の病気をして、それで療養している時に、『なんか、塩炊きだったら出来るかも』って思って、それまでのいろんな仕事、全部辞めてそこで、家にいたんですけど、塩爺に電話して、『塩焚きがしたい』って言ったら、『来いや』と」
"塩爺"こと、荊尾衛さん、85歳。この場所で、20年以上に渡り、塩作りをする塩爺に渡部さんは弟子入りしました。
Q.師匠は「体で覚えさせる」と?
「そう、あんまり教えてくれない」「『はい、弱火です』とか、『はい、とろ火です』とかが、ガスと違ってできないから、そこの調整で全然ほんとに、仕上がりの味というか、舌触りが違ってくるんですよ」「そういうのはもう『見て覚えろ』というか」
"塩爺" 荊尾衛さん
「私は皆さんに、なぜこんなにおいしい塩ができるかということは、あえて言わない」「自分たちが作って、おいしい塩になればいいわけだから」「それをだんだんと、盗みつつあると思う」「自然の力によって、われわれは生かされている、そのことをやっぱり、しっかり、塩作りを通しながら、学んで欲しいな」
そんな、塩爺や渡部さんの塩作りに賛同する仲間も増えつつあります。
渡部さんと塩作りをする仲間
「たまたま私が仕事で、解体をして廃材が出たんですね」
「それがよければって話から、『是非、いただきます』ってことで」
「自然からの恵み、これがすごく、ひしひしと伝わってきて、大切だな」
「後世に伝えていきたいなと思っています」
2日目の塩炊きを始めてから5時間。この日はいつもより、炊き上がるのに時間がかかりました。
すると。
「木をもう2、3本、太いやつ」
「四角いやつ、四角いやつ」
塩爺みずからが、火の調整を行いました。
「1回な、混ぜるのやめてな、ふた閉めて」
「15分ほど」
そして、塩炊きを初めてから5時間半。
こちらが炊き上がった塩。2日間かけて、0.8トンの海水を炊き上げ、24キロの塩が取れました。
この後、さらに3日かけて天日干しをすれば、完成です。
「うまい」
「いい塩」
「潔い塩、きょうは」
「まぁ、悪いことない」
「いい塩だ」
渡部さんが、満月と新月に汲み大田市の海岸で炊き上げたミネラルたっぷりの塩は、「たましお」という名前で販売されています。
むすびや 渡部ゆうこさん
「私たちって地球の一部だから、もっと自然に近い食べ物の存在も知ってほしい、塩爺もそれを伝えたいと思うから」「塩爺が、今までつないできたものを、今の世の中に、ちょっと分かりやすく、手に取ってもらいやすく翻訳するのが、次の私たちの世代の役割かなって思っています」
【BSSニュース】
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【TBS NEWS DIG】
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