【道家】晩秋の夢【偽ASMR】【虚堂ちぐ】

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  • Опубліковано 29 лис 2024
  • 虚堂ちぐ(CV.VOICEVOX:春日部つむぎ)
    *実験的な試みだから、音声が聴き取りづらい人は下のテキストで補ってね!
    【晩秋の夢】
     うぇーい。
     こんちぐ。
     あはは、目が覚めたかな?
     え、いったいどうしたのかって?
     声の感じがおかしい?
     お使いの機器は故障などしておりませーん、なんてね。
     ここは、あれだよ、あれ。なんだっけ。
     ま、いっか、なんか夢的なものだよ。
     だいたいなんとなく胡蝶の夢的なファンタジーだよ。
     ASMR? じゃなくて、強いて言うなら偽ASMRだよ。
     聴いての通り、クオリティーが地べたを這いつくばってるでしょ?
     え、いきなりメタいこと言うなって?
     いつもの感じの動画はどうしたんだって?
     いやいや、そっちこそメタいことゆってるじゃーん。やだなあ。
     今日はねー、あなたのために、私からのサービスっぽい何かだよ。
     気まぐれにやってみようと思ったから、やってみているだけだよ。
     うぇーい。
     あれね、あれあれ。
     設定は、ふたりで授業を抜け出してきて、人目につかない所で隠れてデートみたいな?
     だいたいそんな感じで思っといてね、よろしくー。
     え、うるさいなー。
     私みたいな悪魔に、リアルな甘々展開とか、ハイクオリティーなんて求めてもしょうがないからね。
     引き算の美学。
     できるだけ高度な技術を使わずに済ます。
     不完全と渾沌と、不仁な道でできていて。
     某歴史漫画にもあったような――、あったかな? 
     たぶんあったような表現で言うと。
     毒があるから美味い路線だから、そこんとこわかっといてよね大好きだよ。
     ん、いや、いま別になにも言ってないけどー?
     なにかの聞き間違いじゃない?
     うぇーい。
     こら、そこ、一時停止禁止だよ?
     禁止だって、戻って再生するの禁止だよ。
     だめだってば。
     まあ、やりたきゃやればー?
     で、それはともかくとして。
     そんじゃあ、唐突だけど、今日はちょっとだけ私とデートしよっか。
     本当に今日だけの特別、特別の特別だよ?
     晩秋の夢を、ふたりでお散歩しよう。
     実験的な試みだから、次同じようなことはやらない可能性が高いから、そこんとこはよろしくね。
     ほら、行こ。
     ん? そういえば、ひと月くらい前になるけど、動画百本超えたのおめでとうだって?
     うぇーい、ありがとー。
     とはいっても、私のは、ほとんどが十分もない短いのばかりだけど。
     そう思ってくれたのならうれしいかな。
     うれしいかも、うん、たぶんね。知らんけどなw
     え、なんかもう動画の数が増えてきて。
     まとまりがないし、九龍城みたいになってきてる?
     ちょ、そこはさあ、テーマパークとかいってよー。
     え、無理?
     異質なものとか、観る人の感性によっては引いたりしかねないものとかも含まれてるから、やっぱ九龍城?
     まあねー、それは否定しないよ。
     とはいっても、そんなぎょっとするような表現が突然飛び出してくるのも含めて、道家のおもしろいところだしさ。
     私的には、なんかよくわかんない奇妙なものとか雑然とした感じとか。
     矛盾も毒も、全部含めて渾沌としたものを渾沌としたままに。
     なんだこれは、と笑いながら。
     この『虚扁の道蔵』とも言うべき活動を楽しんで観て欲しいと思ってるよ。
     て、今日はそういうことを話しに来たわけじゃないでしょー?
     あなたは私とデートしに来たんでしょー?
     なになに、いまの話を聞いていたら、ただのヤバイやつに見えてきた?
     なんだよー、この可憐な私のどこをどう見てそう思うんだよー。
     花のように愛らしい、この、私を!
     こら、そこ、食虫植物とか言うなーw
     え? なに言い出すかわかんないとことか、いきなりぱくっとくる所とか、食虫植物感がある?
     へー、そーいうこと言うんだー。
     どーしてやろっかなー。
     うりうり、それならお望み通りに、ぱくっとやっちゃおうかー?
     その手の動きをやめろって?
     やめなーい。
     おりゃ、うりゃ、あはは、とりゃ。
     うわ、ねえねえ、見てておかしくなってくるから。
     そのくねくねした動きやめてくれるー?
     私が変なところ触るからだって?
     えー、だってさあ、あなたが悪いんでしょ?
     私のことを食虫植物とかいうから。
     あーあ、今日はせっかくあなたと胡蝶の夢的な世界でデートできると思って、楽しみにしてたのになあ。
     帰っちゃおっかなー。
     あ、そこそこ、そこの小道に行こうよ。
     来て、私ここ大好きなんだよねー。
     え、あ、いちいち大好きとかに反応しなくていいから。
     いまそういう流れじゃないから。
     ほら、ここだよ。
     ここねー、もっともっと、ずっと小さい頃から私が散歩したりしてたとこなんだよねー。
     なんかよくわかんないけど。
     ずぅーっとここから、ぐるりと回って、変な所とかに入って、遊んでた記憶があるよ。
     で、なんだっけかなー。
     その頃はまだ、道家思想とかも知らなくて、ただ単に自然、とか私言ってたんだよね。
     そうそうそう、なんか自然がどうとか、あれこれ追求してる、変な幼児だった。
     で、それから時が流れて道家思想について知った時に、あ、これ自然じゃんとか思ってさ。
     昔も同じようなこと考えてた人いたんだねー、って。
     そこで自然の別の呼び名として道が増えて、みたいな感じになったよ。
     だから老子二十五章の『道法自然』道は自然に法る、なんてもう、おおっすごい、て感じだよ。
     つながったー、みたいなね。
     そんな感じだから、私が道家になったのは、ある意味必然みたいなものがあったのかもしれないね。
     下地みたいなのは、間違いなく事前に整ってたからね。
     故に生まれ、性に長じ、命に成ってるのかは知らないけど。
     でも実際、不思議なことだよね。
     いやほんと振り返るとさー、自分でも昔ここを通っていた時、何を考えてたんだろうって思うんだよね。
     無言で、じぃーっと自然を追求してる異質な幼児だよ。
     家を抜け出して、ひとりで歩いてるんだよ。
     何かを探すでもなく、求めるわけでもなく、自然、自然って。
     そういう意味では普通の意味での人間としては成長し損ねているかもしれないかもしれないけど。
     だから逆に人間人間言うのかもしれないけど……。
     ある時、ふと自然と人が和合した瞬間みたいなのがあって。
     それ以降は自然か人間か、どっちか、みたいな感じはなくなったかな。
     て、なんか変にあれこれ喋っちゃったねー。
     あはは、これは忘れてもいいよ。
     一番大事なのは、いま即目前のことでしょ。
     いま、こうして私とあなたが、ほんの夢のような場所でも、和合していることでしょ。
     それがどんな形であれ、淡いつながりだって。
     そこには道の働きがあって、何かが生まれているはずだよ。
     ん? もっとこうしていたい?
     そうはいっても、夢から覚めるのはいつも突然だからね。
     この晩秋の夢は、私の『虚扁の道蔵』の小さなバルコニーみたいなものだから、あまり多くを期待しちゃあいけないよ。
     ほらほら、そんなこと言ってるうちに、もうデートは終わりの時間。
     夢は覚めるよ。
     でも、安心しなよ。
     すべては自然に包括された『一』。
     あなたも私もみんなも。最初から同じ道だし、道そのものなんだよ。
     えー、それでも離れたくない? もっと一緒に居たい?
     そうだね、そんな風に思ったりする心の動きも実は、道そのものの美しい現れだと言えるよね。
     ねえ、大丈夫だよ、安心して。
     私はちゃんとあなたと同じ空の下、同じ季節。
     同じ道に居るんだから、全然離れてなんかいないんだよ?
     うぇーい。
     そんじゃあ、おつちぐね。
     夢から覚める時間だよ。
     と、いうわけで、唐突に思い付きで作ってみた偽ASMRでしたー。
     うぇーい。
     おわりー。

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