【統合失調症療養のコツ】認知機能障害とその対策【精神科医が7分でまとめ】
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- Опубліковано 16 вер 2024
- 0:05 はじめに(統合失調症、認知機能障害とその対策)
0:41 統合失調症と陽性症状・陰性症状・認知機能障害・病期
2:09 代表的な認知機能障害
3:13 認知機能障害への対策
6:29 まとめ
統合失調症は、急性期の幻聴や妄想などの「陽性症状」が有名ですが、むしろ改善後に目立つ意欲低下などの「陰性症状」や考える力の障害「認知機能障害」が長期間生活に影響します。今回は認知機能障害およびその対策について、精神科医が約7分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 kokoro-kichijo...
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↓↓内容の詳細は下記になります。
<はじめに:統合失調症の認知機能障害とその対策>
統合失調症療養のコツ。今回は「認知機能障害とその対策」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
統合失調症といいますと、急性期の幻聴や妄想などといった「陽性症状」というのが注目されやすいですけれども、特に急性期を越えてからは意欲などが減る「陰性症状」と並んで生活に影響しますのが今回紹介します、考える力などの障害「認知機能障害」になります。
今回は、この「認知機能障害とその対策」についてやっていきたいと思います。
<統合失調症と、認知機能障害>
まずは統合失調症とはということですけども、これは脳のドーパミンの過剰などが背景とされます脳の病気になります。
急性期は幻聴や妄想など陽性症状が目立ちますけれども、改善後は意欲低下などの陰性症状、あと考える力の障害であります「認知機能障害」が目立ってきます。
この認知機能障害ですけれども、これは記憶力や実行機能といった考える機能の障害になってきます。
急性期から改善した後に目立ってきまして、その後持続します。
そして、抗精神病薬の効果は期待しにくいものになります。
<統合失調症の病期と認知機能障害>
ここで統合失調症の病気の時期と、この認知機能障害を見ていきたいと思いますけれども、まずは急性期ですけれども、この時期は幻聴や妄想などの陽性症状が目立って、過敏・敏感であったり、興奮したりといったことが出てきます。
その中では、認知機能障害に関してはあるともされるんですけど、少なくとも目立たないということがあります。
それが休息期というところになってきますと、今度は陽性症状が目立たなくなってきまして、かわりに意欲が低下するなどの「陰性症状」が目立ってきます。
あわせて、今回の考える力の障害「認知機能障害」も目立ってきます。
回復期というところへ移っていきますと、先ほどの陰性症状・意欲低下などは次第に改善していくんですけれども、もう一つの認知機能障害に関しては基本的に残るとされます。
そして、そういうことがありますので、発症・統合失調症が発症する前と比べると、生活のしにくさが一部残るということになります。
<代表的な認知機能障害3つ>
では、代表的な認知機能障害を見ていきますけれども、3つ挙げていきます。まずは「記憶力の低下」、2つ目は「注意力の低下」、3つ目は「実行機能の低下」ということになります。
まず、記憶力の低下ですけれども、必要なことを覚えることが難しくなって、忘れてしまうということがあります。
その結果、新しいことを覚えることがあまりできなくなると。
仕事でいえば、新しい仕事の手順なども覚えられなくなるということになります。
2つ目の注意力の低下ですけれども、これは集中力が続かずにすぐ気が散ってしまうということです。
物音や周りの刺激などによって気が逸れてしまうということがあります。
そして、考えがまとまらないということが出てくることもあります。
3つ目の実行機能の低下ですけれども、これは段取りを組んで物事をやることが苦手になるものになります。
その結果、優先順位をつけるということがあまりできなくなりまして、結果的に効率的に物事を行うということが苦手になります。
<認知機能障害への対策>
この認知機能障害の対策ですけれども、基本的には「頭を使うリハビリ」、いわゆる認知矯正法をしつつ、「環境を整える」(認知適応法ともいいます)ということになってきます。
<頭を使うリハビリ(認知矯正法)>
まずは頭を使うリハビリということですけれども、これは「脳の可塑性」脳は変化し得るというところの仮説に基づきまして、頭を使ういろいろトレーニングなどを繰り返すことによって、認知機能・考えたりする力の改善を図っていくということになってきます。
専門的な治療法では、「認知矯正療法」というのがあります。
これは大きく言うと「頭を使うゲームを一定期間繰り返す」のと、「それを話し合いで生活への応用をしていく」というところをやっていく。この組み合わせになってきます。
この方法は、まだ日本では普及はあまりしていません。
実際にそのことも踏まえて、(実生活では)どういうことをするかというと、「生活を意識しつつ頭を使う」ということになります。
具体的にいうと、本当に頭を使うということもありましょうし、体を使うことで2次的に頭を使うこともあります。
あと、手先を使うことによって、これも脳に対して刺激になってきます。
この「頭を使う」ということをどういう枠組みでやるかですけれども、まずは日常生活の中でいろいろなことを頭を使うなどをやっていくということがあります。
そして、もう一つがデイケアなどでそれをやっていくということになります。
デイケアなんですけれども、これ日中いろいろなプログラムをやるんですが、この例を見てみます。
まずはパソコン教室などやることあります。これは頭を使うトレーニングです。
あとはウォーキングや運動することあります。これは体を使うトレーニングです。
あとは手工芸・手先を使うことをやったりすることがあります。
このように、さまざまな角度から頭を使うトレーニングをデイケアのプログラムでやるということがあります。
<環境を整える(認知適応法)>
続いては、「環境を整える(認知適応法)」になってきます。
やる方法としては、生活の環境いろんなことを調整して負荷を減らしていくというところ、そして繰り返しやることによってある種ルーチン化をすることによって負荷を減らしていくというところ、それによって「認知機能障害」あるんだけれども、その方の生活の困難を減らしていくということになります。
分かりやすい例として、服薬・薬の話を見ていきます。
よく薬が1日4回であったり、たくさん飲む薬があって毎回取り出すとなると、これは忘れてしまったりとか、そういう手間がかかってしまいます。
対策としては回数を減らして、「一包化」といって袋にまとめる。そうするとたくさん粒を取り出すかわりにもう袋を1日1回か2回取り出すだけで済みます。
そして、薬のカレンダーに入れて、食後すぐ飲むということ、これをもう繰り返しやって1種のルーチンにしてしまうと。
この2つを組み合わせることによって、「服薬するということ」を、以前はかなり手間かかったことを負担の少ない習慣にしてしまうと、そういったことになっていきます。
これをやっていくためにどうするかというと、まずは自分でいろいろ取り組んでいくということもあります。
あとは家族と協力をして、何かそういうシンプルにできないかということをやっていく場合があります。
後は訪問看護で訪問の看護師さんとそれを相談するということもあり得ます。
あと、障害が重い場合はヘルパーさんを活用しまして、それで負担を減らしていくという方も中にはいらっしゃいます。
<まとめ>
今回は統合失調症療養のコツ「認知機能障害とその対策」について見てきました。統合失調症では、急性期は幻覚・妄想などの陽性症状が目立ちますけれども、改善した後は意欲低下などの「陰性症状」と考えることの障害「認知機能障害」が主になってきます。
認知機能障害は考える力の障害でありまして、主には「記憶力の低下」・「注意力の低下」・「実行機能の低下」が目立ってきます。
対策としては、頭を使うリハビリをしつつ、環境を整えていくということになります。そのためにデイケアのプログラムを活用するのも一つのやり方になってきます。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
#統合失調症 #認知機能障害 #認知矯正療法 #デイケア #陰性症状
【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。
作業所もデイケアも長らく体験しました。
今は何処にも所属せずに若隠居の身分で目下の所、幸せ者です😅