残像レター
Вставка
- Опубліковано 3 січ 2025
- 街灯がぼんやりと光る夜道を、僕はひとり歩いていた
ポケットの中には、まだ書き終わらない手紙
夜の隙間に浮かぶ光たちが、まるで誰かの記憶のようで
僕はその光をひとつずつ追いかける
「またね」って言葉が最後に残った
あの夜、君の背中は小さく揺れていた
僕は何も言えず、ただその残像だけを抱きしめた
時間だけが僕を置き去りにして、夜が深くなる
未完成のまま止まった言葉たちは、息を潜めていた
いつか届くかもしれない、その時まで
だけど夜の風がすべてを遠くへ運んでしまう
僕は何もできず、ただ立ち尽くしている
夜道に揺れる街灯の光が、足元を照らしていた
君が残した言葉が、今もそこに落ちている気がして
僕は小さく息を吐き、空を見上げた
残像が消えないまま、僕は次のページへと手を伸ばす
手紙を書き終えることはできなくても
この言葉たちが、いつか誰かに届けばいい
夜が明ける前に、僕は手紙を折りたたんで
ポケットの中で、小さく握りしめた
君が見たかった景色は、今もこの街に残っている
残像のように揺れて、静かに光を放っている
僕は歩き続ける、この未完成の物語を抱えて
夜の隙間に広がる光の中、僕は少しだけ笑った
踏み出した足元に小さな影が揺れていた
風がポケットの手紙を撫でるたび、君の声が蘇る
「大丈夫」と言い聞かせるように、僕は前を向く
残像が薄れていく夜空に、ひとつ星が瞬いた
この道の続きに、答えはまだ見つからなくてもいい
僕は未完成の手紙を抱えて、今日も歩き続ける
心地良い時間をありがとう