平屋で小屋裏エアコンはむずかしい?そのポイントを考える

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  • Опубліковано 3 жов 2024
  • 今回は平屋で小屋裏エアコンを設置する時に気を付けることについて解説します。
    最近は少し暑くなってきました。こういうシーズンになってくると、小屋裏エアコンを冷房で活用することが多いです。小屋裏エアコンの相談を受ける中で聞いた話では、どなたがおっしゃったのかはわからないんですけど「平屋で小屋裏エアコンは難しい」「平屋で小屋裏エアコンはよくない」とおっしゃる方が多いそうです。
    そこで、平屋で小屋裏エアコンを設置する時にどんなことを気にしながらやったらいいかという話ができればと思います。
    まず「平屋」「2階建て」という以前の話として、小屋裏エアコンがうまくいかない方がやりがちな失敗が、4つぐらいあると思っています。
    1つ目が屋根断熱が不十分ということです。小屋裏エアコンはその名の通り、屋根裏(天井裏)にエアコンを設えた空調室を作ります。この辺りの断熱は、一般的には天井断熱と言って、天井部分で断熱をとっているケースが多いのです。しかし空調室が天井裏にある場合では、断熱は屋根で取らないと意味がないんです。私の友人で小屋裏エアコンを設置しようと思っているちゃんとした建築士の方も、屋根の断熱が不十分なケースが多いとおっしゃっています。
    最近は外皮計算などでUA値を出したりします。UA値はU値のアベレージなので、家全体として0.6とか0.5などの数値がでますが、個別の場所ごとに、屋根や壁に対してどんなバランスにするかは建築士の判断に委ねられます。この時に、小屋裏エアコンをやる場合には、トータルでUA値はクリアしていても、絶対に屋根断熱が優位になっていないといけないんです。簡単に言うと、厚い断熱をしないといけないということです。屋根は一番熱を受けるところなので、屋根断熱が不足していると小屋裏エアコンは効きにくいです。一般的にはグラスウールやセルロースで200mmぐらいの厚みが必要です。高性能なフェノール系であれば半分(100mm)にしてもいいとは思いますが、それだけの断熱がないと、小屋裏エアコンは失敗しがちになります。
    2つ目は日射遮蔽が不十分ということです。小屋裏エアコンが効かないというお家をよく見ると、太陽の光が窓からガンガン入っていることが多いです。そういうお家は普通のルームエアコンでも冷えにくくなるので、日射をシャットアウトする必要があります。日射遮蔽はどんな家でもできます。敷地条件が悪くても、窓がすごく大きくても、庇をきっちり出したり、日除けをしっかり下げるなどをすれば、100%日射遮蔽することも可能です。
    3つ目がリターン開口が小さい・狭い・場所が悪いことです。ルームエアコンの冷やされる前の冷気を吸う箇所を「リターン」と言います。ルームエアコンのリターンはエアコンの機械として成立しているからいいんですけど、小屋裏エアコンが入っているスペースも、次に冷やすべき暖かい空気を入れる必要があります。それを、リターン開口を開けて吸うんですけど、このリターン開口が開いてるんだけど小さい・狭い・場所が悪いことが多いです。
    4つ目が小屋裏エアコンの送風のルートで、廊下・水回りを忘れていることです。水回りや廊下は北側になっていることが多いので、そこまで冷たい空気を直接供給しなくてもなんとなく涼しくなることはあります。でも、例えばビシッと締め切っているところだと、一定のルートを確保していないとうまく冷えないです。
    だいたいこの4つがやりがちな失敗です。
    そういう基本を踏まえた上でも、小屋裏エアコンの難しいポイントとして「小屋裏エアコンの冷気を各部屋に分配していくのが難しい」「分配しても設定温度通りにコントロールしにくい」「夏型結露が心配」と言われています。夏型結露に関しては、違う動画で解説しているので、そちらを見てください。
    小屋裏エアコンを各部屋に分配していくのが難しいのは、送る風量の問題が大きいのではないかと思います。初期の小屋裏エアコンをやってきた方たちは「エアパスファン」という、間仕切りがある中で緩やかに送っていくような送風設備を選ばれていることが多かったです。エアパスファンを使用すると、送る風量が弱いと感じる方も多いと思います。なのでしっかりした流量が送れるファンを選ぶことが大切です。これを適正に選んで、小屋裏を中心にして各部屋に分配すると、そんなに難しくないと思います。この時のポイントは、ダクトの長さを短くすることです。ダクトが長くなるとそれだけロスも起きやすくなります。
    次に設定温度をコントロールしにくい問題は、送風ルートのスイッチが強と弱の2段階で切り替えできたらいいと思います。また、小屋裏エアコンはルームエアコンのように、暑いから2度下げるとか寒いから2度上げるということをすぐできないです。どちらかというと、空調を24時間運用に近い形にしてもらって、室温だけでなく壁・天井・床の表面温度も一定にしていくべきです。室温が何度になっているかより、自分が心地良い温度になっていることが重要なので、冷気の振り方・塩梅がとても大切です。
    居住スペースを心地良い室温にするには、できるだけ限りなく空間をワンルーム化することと、小屋裏エアコンの空調スペースから各部屋に送るルートを短くするということで、かなり改善ができると思います。例えば好き放題勝手な平屋を作って、L型の変形で伸びたところに部屋があるような形だと、小屋裏エアコンは難しいと思うし、力技も必要になってくると思います。平屋で小屋裏エアコンをうまく使うためには、プランの配置で8割ぐらいの勝負が決まってしまうことを知ってほしいです。
    最後に、昨今は地球の気候変動の影響で、すごく湿気が多くなっています。私たちも1つ研究課題として思っているのですが、湿気が多くなってきた現代の日本では、想定していたより夏型結露が助長されています。小屋裏エアコンでどこが夏型結露しやすいかというと、屋根断熱と小屋裏の境目のところです。
    設定温度をすごく下げて、風量もビューッと出して小屋裏エアコンを使わないと気が済まないお施主さんもいらっしゃいますが、そういう場合は夏型結露が起こりやすいです。なぜかというと、強い冷気がどこかの面にずっと当たり続けると、そこの表面温度はすごく下がるからです。なので小屋裏の断熱と小屋裏空間との間の、一般的に気密ライン(ベーパーバリアのライン)と言われるところに、可変性の透湿気密シートを使うことを絶対おすすめします。
    可変型というのは、簡単に言うとスキーウェアのゴアテックスみたいなものです。ゴアテックスは、雨水は入れないけど、人間が運動してかく汗(湿気の水蒸気)は外に出してくれます。でも冷たい雨や雪は中に入れないような性能があり、そういう素材の建築版が可変性の透湿気密シートです。夏型結露が起きるまでには、外気から侵入した水蒸気が表面で冷たい温度に冷やされて、結露して水に変わっていくんですけど、それまでは水蒸気の状態です。水蒸気の段階であればそのシートは通っていけます。でも気密は保持されるという、不思議な性能のシートがあるので、これを使っていただいたらと思います。「VCLスマート」という商品など、いろんなメーカーさんでいろんな種類が出されています。「可変性の透湿気密シート」と検索したら出てくると思います。
    合わせて1つ思うのは、可変シートに冷たい風が直接当たらないように薄い断熱材などで小屋裏空間を囲うと、夏型結露に関してはかなり防ぐことができると思います。例えば石膏ボードのような不燃材や、EPSでもいいと思います。
    こういうところを押さえて平屋で小屋裏エアコンをやっていただいたら、すごく快適な平屋が夏場に向けて完成していくと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
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    #モリシタアットホーム #平屋 #小屋裏エアコン #断熱 #気密 #結露 #姫路 #工務店 #注文住宅

КОМЕНТАРІ • 13

  • @shinsato224
    @shinsato224 2 місяці тому +1

    いつも動画拝見しております。
    40坪のほぼ平屋を新築しました。そこで小屋裏エアコンを採用してちょっと気になった所がありました。
    頼んだ工務店さんでは、エアコンの吸気を換気扇みたいなもので天井から小屋裏へ送り込んでいるのですが、どうなのでしょうか。
    ネットで小屋裏エアコンを調べると、リターン開口を機械吸気しているケースがほぼ無かったので気になりました。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  Місяць тому +1

      やってもいいですが、エアコンのある小屋裏空間から各室にどれくらいの空気が供給されているかですね。それにみあう空気量をおくれたら大丈夫です。

  • @こって牛-s5e
    @こって牛-s5e 3 місяці тому +2

    エアコンは運用でずいぶん快適性が変わりますね。一番良いのは吹き出し温度と室温の差が少ないこと。場所による偏りがないこと。設定温度を変えないこと。冷気の当たるところで涼しいと喜んでいる人は損です、冷気の存在が気にならないのが最適です。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +1

      さすがのコメントありがとうございます!

  • @oyoyo8817
    @oyoyo8817 3 місяці тому +1

    理屈で言えば、むしろ平屋の方が失敗が少ない気がするんだけどなぁ。
    2階建てだと1階まで長いダクトをPS通して下ろすか、それを省略して吹き抜けや階段で冷気を下ろすかだから、狭小住宅でもなければ1階で偏りが出てしまう。
    欲を言うなら、小屋裏クーラー(暖房不要)+階間エアコン(冷暖房)+床下ヒーター(冷房不要)の組み合わぜがベストな気がします。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +2

      階間エアコンの冷房は、個人的には不安を感じます。

    • @oyoyo8817
      @oyoyo8817 3 місяці тому +1

      @@morishitaathome なるほど。であればエレベーターホールのような床下から天井まで一気通貫するようなホールがあれば、どうでしょう? 階間は流量調整用の仕切りと送風機だけ。これならダクトは水平方向のみ敷設で設置・点検・掃除もしやすくならないかな? 素人の思いつきですみませんね。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +1

      @@oyoyo8817 様 それ面白いですね!屋根側にAC、床側にAC、その大きな筒に面する部屋にファンをつける。私も夢想してみます。

  • @ハマちゃん-c9t
    @ハマちゃん-c9t 3 місяці тому +3

    小屋裏エアコンで夏に天井が涼しいのは快適だと思う。また床下エアコンで冬に床が暖かいのも快適だと思う。しかし、余分な空間を空調するのでエネルギーロスは増えて電気代が上がると思う。それをカバーするために太陽光パネルを設置してカバーしている場合が多い。
    私は床断熱と天井断熱を選択した。そして壁架けエアコンを設置する普通の冷暖房にしている。耐久性の高い瓦屋根にして太陽光パネルを置いていない。屋根の断熱材は300ミリにしている。このやり方の方が省マネーであり、省エネでもある。また建物の耐久性も高いと考えている。

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +2

      そうですね!間取りがワンルームあるいは、エアコンを置く部屋をコアにして放射状に部屋があるなら一番シンプルで確実と思います。

  • @teshibox
    @teshibox 3 місяці тому +1

    質問ですが、完全分離の2世帯住宅の場合には小屋裏エアコンや床下エアコンはそれぞれ分断される感じになりますよね?

    • @morishitaathome
      @morishitaathome  3 місяці тому +2

      1階t2階の層で分離なら、そうなりますね。間取りにもよりますが、2階は床おき型のエアコンを選ぶ時もあります。

    • @teshibox
      @teshibox 3 місяці тому

      @@morishitaathome ご返答頂きありがとうございました🙇‍♂️