【特集】飛んでるローカル豊岡で移住促進

外観 豊岡市が「飛んでる」とはいったいどういうことなのか？
その答えは、市役所にありました。
定住促進係の石田さんと濱田さんです。
見せてくれたのは、パソコン画面。
そこには確かに、「飛んでる」「豊岡」の文字が！
「飛んでるローカル豊岡というのは、実際に豊岡市に住んでる方が市民ライターさんというライターさんとして地域の魅力とか豊岡市の情報を市民目線で発信していくポータルサイトになっています」
「コウノトリが飛んでるっていうところと、他の地域ではやっていないちょっとぶっ飛んでることを豊岡市ではやってますよというので、飛んでるというふうにつけさせてもらってます」
ここ数年、移住先としてジワリジワリと人気を集めつつある豊岡。
３年前に作られたこのホームページはいま、飛んで飛んで回って回る勢いで地元に貢献しているんです。
「飛んでるローカル豊岡」の狙いは、ズバリ、移住促進。暮らしていく上で必要不可欠な住まいや仕事などの情報を集約しています。
中でも、先輩移住者たちが市民ライターとして実体験を伝える記事がメインコンテンツ。
たとえば・・・
「“お嫁さんのお菓子”とは但馬地方の風習で、挨拶まわりや結婚式で新郎新婦が配るお菓子のことです」
昨年、結婚を機に横浜から豊岡に移り住んだ画家の女性は、地域の特色や感じたことなどを飾らない言葉でしたためています。
「実際にこのサイトを見て市民ライターさんに問合せが直接いったりとかは何回かあって」「ライターさんがその記事を書いてることで、本当に移住したい人たちに情報が届いているんだなって感じます」
そこで、市民ライターさんを訪ねてみました。
３年前にＵターンで豊岡に戻ってきた彫刻家の美藤圭さん。 そして、奥さんが、先ほどの記事を書いた画家のまり奈さんです。
病院だった建物をギャラリーに改装して、利用しています。
「診察室をそのまま残していて小さい窓とか、ここから受付したりとか薬をもらったりとかしていました」 （美藤さん）
「制作に関しては田舎に行けば音を出してもそんなに迷惑はかかりませんし、発表をしようと思ったら」（美藤さん）
「まず、豊岡っていう地名を知らなかった。コンパクトな分、人付き合いがあったりとか飛んでるローカルで知り合った人とかと、徐々に仲良く慣れていってるかなというところです」（まり奈 さん）
ほかのライターと協力してイベントを開くこともあるそうで、「飛んでるローカル豊岡」は、実体験を伝えるだけでなく、移住した人同士をつなぐ役割も果たしています。
コウノトリや温泉、そして、カニなど確かに魅力いっぱいの豊岡ですが、 最近、移住の大きな決め手となっている場所があるというのです。
「（ここは？）移住を希望されている方が子どもを通わせたいと人気の学校になっています」 （石田さん）
移住の決め手のひとつ、それが「教育」です。 出石地区にある弘道小学校は、自然をふんだんに生かした木造校舎が特徴。
「某有名アニメ映画の世界のようだ！」と、ＳＮＳなどで話題になり、この学校を目当てに移り住む人もいるのだとか。
さらに・・・ 豊岡の地場産業「かばん」の作り手を育てる専門学校も移住に無関係ではありません。
「職人の方が高年齢化してますのでそういった中でこのアルチザンスクール、２０代の方、たくさん卒業生いるので、地元に残っていただいて、若い職人さん、これからいろんなことをここで学ぶこともそうなんですけど、企業に就職して実際に現場で働いていただいてこれから将来的にかばんの産業を背負っていただくというようなことだと思います。」 （アルチザンスクール　天野さん）
学校ができてから５年間で４３人が卒業。そのうち６割が豊岡に残って働いています。しかも、生徒のほとんどは市外からやってきた人たちです。
「飛んでるローカル豊岡」を担当する２人が２年目と５年目の若手職員なのも、実は、若者の移住希望者が増えているためなのだとか。
「新しい場所に移って新しい生活をするというのはその人にとってすごい大きなことなので。市民ライターさんも一緒に連携して考えていって、移住希望者さんの求めている情報が本当にサイト見るだけでわかるような、もっと情報を充実させたサイトにしていきたいと思っています」（石田さん）
いろいろ 豊岡のいまを等身大で伝えるポータルサイト。その飛んでる魅力が全国に、そして、世界に知れ渡る日はくるのでしょうか？注目です。