タビとカザネと大きな木 第1話 「不思議な木の出現」[おはなしをみる]
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- Опубліковано 16 січ 2025
- 歌タイトル 「大きな木」
第1話:不思議な木との出会い
丘の上にポツンと立つ小さな家で、カザネと白黒模様の猫タビは穏やかな日々を過ごしていました。この日も、朝陽が窓から差し込み、カザネはいつも通り朝ごはんを準備していました。
「タビ、今日は何する?散歩に行く?それとも昼寝?」
窓辺で日向ぼっこをしていたタビは、気持ちよさそうに体を伸ばしていましたが、突然耳をピクっと動かしました。何かを感じ取ったかのように窓の外をじっと見つめています。
「どうしたの、タビ?」
カザネも不思議に思いながら窓の外を覗き込みました。そこで彼女が目にしたのは、驚くべき光景でした。
家の前の草原に、これまで見たこともない巨大な木が突然現れていたのです。その木は普通の木とは違い、幹には複雑で美しい模様が彫られ、枝葉は光を反射するように輝いています。葉が揺れる音が聞こえてくるにもかかわらず、風は一切吹いていませんでした。
「何これ……こんな木、昨日まではなかったよね?」
カザネはタビに目を向けましたが、タビは低く「ニャア」と鳴き、木に向かって歩き出しました。
木との初めての接触
タビの後を追って、カザネも木に近づきました。幹に手を伸ばして触れてみると、ひんやりとして冷たさを感じる一方で、どこか温もりのようなものも伝わってきます。その不思議な感触に、カザネは思わず目を見開きました。
「これ……普通の木じゃないみたい。」
すると、木の根元から小さな光がふわりと飛び出しました。よく見ると、それは光の粒が集まってできた小さな存在――木の妖精でした。妖精は空中でふわふわと舞いながら、カザネとタビを見上げます。
「この木は特別な使命を持っています。」
澄んだ声でそう語りかけた妖精に、カザネは驚きつつも興味津々で聞き入りました。
「頂上には、この世界を知るための答えが隠されています。しかし、それを見つけるには試練を乗り越えなければなりません。」
妖精の言葉は謎めいていましたが、カザネの心に火を灯しました。
「答え……?タビ、私たち、登ってみようよ!」
彼女の瞳には冒険への期待と好奇心が輝いています。タビは少し不安そうに見つめましたが、カザネの決意を感じ取ると、そっと寄り添うように彼女の足元に座りました。
冒険の準備
カザネは早速準備を始めました。古びたリュックを取り出し、中に水筒やお菓子、ロープなどを詰め込みます。タビも時折カザネを見上げながら、彼女の足元を行ったり来たりしています。
「よし、これで準備完了!タビ、行こう!」
カザネはリュックを背負い、木を見上げました。果てしなく続くように見える幹に、少しの不安とたくさんの期待を抱きながら。
「この木が何なのか確かめたいんだ。頂上には何があるんだろう?」
彼女は木に手を触れ、改めてその大きさと不思議さを感じました。妖精は静かに光を放ちながら、二人を見送るように漂っています。
冒険の始まり
カザネとタビは一歩ずつ木を登り始めました。その足取りはまだぎこちないものの、彼らの心には確かな決意が宿っています。これが二人の冒険の始まりでした。
次回、第2話「最初の挑戦」!冒険が始まります。