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アニメや漫画と違ってオーディオドラマではどうしても誰が話しているのかが分かり辛くなってしまいます。なので、声質だけではなく、キャラクター性で登場人物を区別できるようにしていました。今回、いろはが黒子のモノマネに聞こえるのはただの偶然ですが、地の文で話している人物を説明するのではなく、「特徴的な言葉遣いを用いてそれらを区別する」という方法はご存じの通り「とある魔術の禁書目録」の鎌池先生の影響を受けているのであながち間違いでも無かったりしますね　m(_ _"m)

ご指摘ありがとうございます。手違いで非公開になっておりました。公開設定に変更いたしましたのでお楽しみくださいm(_ _"m)

@@aoihito ありがとうございます！！！

尊敬します

そうですね

I agree. I need more audio dramas like this.

第一話　「俺と妄想の彼女。」 裕也　　正直に言おう。俺は引きこもりだ。別に運動が出来る訳でも、勉強ができる訳でもない。特技と言われてもピンとこないし、趣味は？と尋ねられても「読書」と答えるのが関の山。不登校になったきっかけなんて些細な物で、別に虐められてたとかそういうんじゃない。ただ、行くのが面倒になって仮病を何度か使ってるうちに登校するのが億劫になった。気が付けば春休みが明けて２年になったというのに一度も登校していない。今や立派な引きこもりだ。 裕也　　心配してくれる友達なんているはずも無く、もちろん彼女なんて空想上の存在だ。そんな俺がとある時間でネットの海に溺れていたときに出会った相手はただの天使だった。恥ずかしがり屋さんな上に一つ次元の離れたあちら側にいるせいで俺らの恋は永遠に平行線を描き続ける。……んまぁ、そりゃ年相応の男の子ですから彼女の一人ぐらい欲しいし、そういう想像もしない訳じゃない。 　　　　突然目の前に理想の女の子が現れて何かの事件に巻き込まれる。なんてあり得ない想像に思いを馳せ、今日もベットで漫画を読んでいた。 裕也　　だからだろうか。 ハツネ　やぁ、裕也--。 裕也　　……頬を抓ったらめちゃくちゃ痛かった。 ハツネ　--お前を、救いにきた。 裕也　　突然現れたその美少女に俺は--。 裕也　　おまえづぁべ。 裕也　　……噛んだ。 ハツネ　妄想彼女。 裕也　　第一話、俺と妄想の彼女。 裕也　　（声にならない沈黙）……。 ハツネ　……ん？ 裕也　　--うわ……めちゃくちゃはずい……。 ハツネ　なんと……言ったんだ？ 裕也　　訝しげに俺を見つめる彼女は……可愛い。いや、あの……なんていうかっくぁわいいっ……！　可愛いって！　なんなんだよ、なんなんだよこれっ、夢でも見てんのか！？　ついに悟りでも開いたのかよ俺……！ ハツネ　おーい。 裕也　　うわっ……！ 裕也　　間近に迫っていた彼女の顔は……まるで天使だ……。 ハツネ　……なんなんださっきから騒がしいな。 裕也　　あの……まゆの友達かなにか……？ ハツネ　は？ 裕也　　えーと……どちら様でしょうか……。 ハツネ　……裕也。 裕也　　はっ、はいっ。 ハツネ　私は心底呆れたぞ……。 裕也　　へっ？ ハツネ　私はお前の妄想だ。そんな事も分からないのか鈍感め。 裕也　　は？ ハツネ　いいか？　おまえの「このままじゃクズニートになってしまう」「いい加減社会復帰したい」「女にモテたい」という願望がな、こうもわもわーっと集まってだな。……なんだその目は。 裕也　　うそくせぇー……。 ハツネ　嘘くさいとは何だ！ 裕也　　なに？　ほんとにまゆの友達じゃないの？ ハツネ　だからお前の妄想だと言っておるだろう。 裕也　　俺の妄想……？ ハツネ　そうだ。 裕也　　からかってるのか？ ハツネ　馬鹿もん！　いい加減信じろ！　そんな風に何事も疑ってかかってばかりいるから未だに友達の一人も出来ないんだ！ 裕也　　うっせ！　それとこれとは別問題だろ！ ハツネ　いいや同じだ！　お前はノリというものが分かってない！　私が妄想だと言っているのだから、お前は「はいそうですか」と信じるべきなんだ！ 裕也　　なんだその超理論！ ハツネ　ええいっ！　黙れ！　とにかく裕也、私はお前を救いにきた！ 裕也　　だからなんでそうなるんだよ！ ハツネ　お前、このままで良いと思ってるのか？ 裕也　　っ……別に。 ハツネ　嘘つくな！　顔にそう書いてある！　大体そうでなければ私なんてものが生み出される訳無いだろう！　全く、良い迷惑だ。 裕也　　こっちの台詞だよ……。 ハツネ　なにかいったか？ 裕也　　いいや、別にー。 ハツネ　先に行っておくが私はお前の頭の中が手に取るように分かるから嘘をついたって無駄だぞ。 裕也　　ほー？　じゃあ俺が今何考えてるか当ててみろ。 ハツネ　む……吠え面かかせてやろう----なっ、ななななっ！　破廉恥にもほどがあるぞ貴様！ 裕也　　なっ、なんだよ！　そんな事考えてないっつーの！ ハツネ　黙れ黙れ黙れ！！　この変態！　鬼畜！　どスケベ！ 裕也　　うっせー！！　おまえがだまれえぇ！！　何しに来たんだよほんとに！！ ハツネ　ううっ……。（怯えつつ） 裕也　　……くそっ。悪かったな怒鳴って。 ハツネ　い、いや……（取り戻そうとしつつ）私も取り乱してしまってすまなかった。 裕也　　……で、なんだって？ ハツネ　ああ、今日からお前に付いて、社会復帰をさせてやる。（自信満々） 裕也　　……出来るのかよ、そんな事。 ハツネ　出来る。その為に私が来たんだ。 裕也　　自信満々だな。 ハツネ　当然だ。 裕也　　……。（疑う） ハツネ　--まずはそうだな……私と会話しろ。 裕也　　は？ ハツネ　お前は会話慣れしていない、というか元々口下手なくせに引きこもりになったものだからそれにますます拍車がかかってる。まさにコミュ障以外の何者でもないぞ。 裕也　　うっせ。 ハツネ　いいか？　会話が出来れば良いって訳じゃない。相手を不愉快にさせない言葉使い、気の使い方、そういったものをちゃんとマスターするんだ。 裕也　　……。 ハツネ　よし、それじゃあ会話スタートだ！ 裕也　　……。 ハツネ　……。（ニコニコ） 裕也　　……。 ハツネ　ん……？（ニコニコして首を傾げる） 裕也　　……。 ハツネ　……。（怒りマーク♪）--ッ！　ばっかもぉおおおんっ！（殴る）何か話さんか！ 裕也　　ってぇええええっ！（訳：いてぇ）なんで殴るんだよ！ ハツネ　会話の練習だと言っているだろう！　何故何も言わん！ 裕也　　できるかよ！　大体いきなりなんか喋れって言われても、言葉なんかでてくるわけないだろうが！ ハツネ　最初から諦めてどうする！ 裕也　　根性論でどうにかなるか！ ハツネ　うっ……ま、まぁ仕方ないか。ろくに人と話す事が出来ず、そのせいで誰にも相談出来ず引きこもりになったのだったな……。流石に最初から話すのはレベルが高過ぎたのかもしれん、すまない。 裕也　　なんかむかつくな……。 ハツネ　……それにこんな美少女が相手では会話どころではないだろう。 裕也　　ん……？ ハツネ　なんせお前の妄想だからな。理想の女性を目の前にして冷静になれる訳が無い。童貞のお前には少しばかり酷すぎるか……本当に無神経だったな。すまない。 裕也　　……。 ハツネ　どうした。また破廉恥な事を考えているようだったら--。 裕也　　うぁああああっ----!! 足音。車が通り過ぎる音。 裕也　　はぁ……。 裕也　　久々に腕を通した制服はなんだか懐かしい。重い足を引きずるようにして俺は、トボトボと歩き続けていた。 裕也　　……はぁ、なんでこんな事に……。

回想 ハツネ　こうなれば挑戦あるのみだ！　これから久々に登校するぞ！ 裕也　　嫌だよ！　つかもう授業終ってるし！ ハツネ　うるさい！　だからやる前から諦めるんじゃ無い！　大体この前「転けた人を笑うな。彼は進もうとしたのだ」という言葉に「禿同」と書き込んでいたではないか！ 裕也　　それとこれとは別だろ！？ ハツネ　同じだ！　お前が「そうしたい」と思ったんだ。また学校に行けるようになりたい、誰かに背中を押してほしいと。だから私が現れた。私がいるんだ。私が背中を押してやる。私を信じろ！ 裕也　　……分かったよ。 ハツネ　よし、それでいい。 裕也　　でも……なにしに学校行くんだよ。 ハツネ　部活だ。 裕也　　ぇ……。 ハツネ　お前はバスケ部だろ。記憶違いで無ければまだ退部届けは出していないはずだ。 裕也　　そりゃそうだけど……。 ハツネ　例えコミュ障のお前が相手でも共にプレーすれば必ず仲間意識は必ず芽生える。だからダンクを決めてこい！ 裕也　　だからなんなんだよその超理論は……。 ハツネ　大船にでも乗ったつもりで行ってこい！ 裕也　　泥舟にしか見えないけどな。 ハツネ　いちいちうるさい奴だなお前は。そんなんだから友達が--。 裕也　　ああっもう！　いいよそれは！　つーか、名前。お前なんて言うんだよ？ ハツネ　な、名前か。 裕也　　ああ、ずっと「おまえ」じゃやり辛いしな。 ハツネ　……は、ハツネだ。 裕也　　……は？ ハツネ　ハツネだと言っているだろう！ 裕也　　嘘付け！　絶対今パソコンの壁紙見て決めただろ！ ハツネ　そんな訳あるか！　い、いいか！　この「ハツネ」という名前には祖父が込めてくれた--。 裕也　　妄想にそんな奴いねぇよ！ ハツネ　な、なかなかやるじゃないか……！ 車の音。住宅街を歩く音。 裕也　　……なんつーか思い出すとホント俺馬鹿だな。 ハツネ　何か言ったか？ 裕也　　いーや、なにも。 裕也　　……けどこいつの言ってる事はもっともだし、俺だってこのままじゃいけない事位分かってる。だから良い機会なんだ、良い……。 ハツネ　（回想）--私を信じろ！ 裕也　　……信じてみるかな……？ ハツネ　ぶつぶつ気持ち悪いなお前は。 雑談しながら近づいてくる男子１、２。 裕也　　--ッ。 ハツネ　ん、どうした？ 男子１　でさーその子がさー……どした？ 男子２　ぁー……なんでもない。で、なに？ 男子１　ああ、その子がさー。（遠ざかっていく） 裕也　　--はぁ……。 ハツネ　大丈夫か？ 男子３　阿島？ 裕也　　ぇ--。 男子３　阿島じゃんっ、どうしたんだよこんな時間に。 裕也　　ぁ……いや……その……。 男子３　みんな心配してたぞ、急に学校来なくなったから。何かあったのか？ 裕也　　ぁ……それは……その……ごめん。 男子３　まぁいいや。おまえさ、部活どうすんの？ 裕也　　ぇ……？ 男子３　いやさ、新入生入ってきてロッカー足りないんだわ。もしお前もう辞めるんだったらーー阿島？お前、顔色悪いぞ……？ 裕也　　え、あ、な、なんでもない。 男子３　……？ 裕也　　大丈夫だから。ごめん、また。（立ち去る） 男子３　ぉっ……おー……。なんなんだアイツ……。 電車の走り去る音。 ハツネ　大丈夫か……？ 裕也　　……ああ。（うな垂れてる） ハツネ　その……悪かったな、無理強いをしてしまって。 裕也　　っ……だよ。 ハツネ　ん……？ 裕也　　ほんとだよ！　お前が余計な事するから、何も俺はこんな事……！　おまえが現れなきゃこんな思いせずに済んだのに……！ ハツネ　--すまない……私はただ……。 裕也　　……ごめん。 ハツネ　……いや、構わん……。 裕也　　……。（ハツネから視線を外す） ハツネ　なぁ、少しずつでも良いから、また頑張ってみないか？ 裕也　　……。 ハツネ　お前はきっと大丈夫だ。私が保証する。だから……な……？ 裕也　　……よろしく頼むよ。 ハツネ　！……ああっ。任せろ。 裕也　　そう微笑んだ彼女の頬は夕日で赤く染まっていて。不覚にも俺は、見とれてしまっていた。 第一話　おわり。

収録時に変更した場所があるかもしれませんが、原文はこんな感じです。日本語の勉強、頑張ってください！

@@aoihito、 ありがとうございます！今からきっと聞いて分かると思います。

​@@aoihito 第二話と第三話と最終話のもありますか？